毛穴パックをしても黒ずみが治らない理由|皮脂フィラメント・角栓・毛穴治療を皮膚科専門医が解説
~あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院~
「ごっそり取れた」のに、なぜまた黒くなるのでしょうか?
夏になると増える美容相談のひとつが、「鼻の黒ずみが気になる」というお悩みです。
鏡を見るたびに気になり、毛穴パックを使ってみる。
すると白い角栓のようなものがたくさん取れて、「きれいになった!」と感じる方も多いと思います。
ところが数日後には、また黒ずんで見える。
そして再び毛穴パックをする。
この繰り返しに陥っている方は多くいらっしゃいます。
診察室で鼻を観察すると、患者様が「角栓」だと思っていたものの正体が、実は別のものだったというケースもよくあります。
毛穴パックで取れているものの正体とは?
毛穴パックで除去されるのは主に
●角栓
●皮脂フィラメント
です。
しかし実際にはこの2つを見分けるのは簡単ではありません。
特に鼻では、皮脂フィラメントが主体であることも非常に多くあります。
皮脂フィラメントとは?
皮脂フィラメント(Sebaceous Filaments)は、毛穴の中で皮脂がスムーズに排出されるために形成される構造です。
つまり、病気でも汚れでもありません。
皮脂腺が活発な鼻では誰にでも存在します。
そのため、「除去すれば治るもの」ではなく、「皮脂が分泌される限り再形成されるもの」なのです。

角栓と皮脂フィラメントの違い
| 皮脂フィラメント | 角栓 | |
|---|---|---|
| 状態 | 正常構造 | 毛穴の詰まり |
| 色 | 灰白色〜黄白色 | 黒色〜褐色 |
| 原因 | 皮脂分泌 | 皮脂と角質の蓄積 |
| 再発 | 非常に早い | 再発する |
| 毛穴パック | 一時的に除去可能 | 一時的に除去可能 |
このように、見た目は似ていても全く別物です。
「取れてもまた戻る」のはなぜ?
皮脂フィラメントは、皮脂腺から分泌された皮脂を毛穴の外へ運ぶための通り道です。
そのため、
毛穴パック
↓
一時的に除去
↓
皮脂は分泌され続ける
↓
再形成
という流れになります。
つまり、取れたことと治ったことは同じではありません。
毛穴パックをおすすめしない理由
医師が毛穴パックを積極的におすすめすることはありません。
その理由は、「根本的な解決にならない」だけではないからです。
① またすぐに戻る
最も大きな理由です。
皮脂分泌そのものが変わらなければ、再び皮脂フィラメントや角栓は形成されます。
つまり、毛穴パックは原因を治療しているわけではありません。
② 皮膚のバリア機能を傷つけることがある
毛穴パックは強い粘着力で角栓を引き抜きます。
その際、本来必要な角質まで一緒に剥がしてしまうことがあります。
すると、
●赤み
●ヒリヒリ感
●乾燥
●刺激感
などが起こることがあります。
③ 鼻が赤くなってしまう方もいる
長期間毛穴パックを繰り返すと、肌のバリア機能が低下します。
毛穴パックでの粘着力は強力ですので(それが目的ですが)、剥がす際に皮膚を痛めて赤くヒリヒリ感が出る方がいます。
肌が強い場合は、毛穴パックの良い面だけ活かせるかもしれませんが、強い刺激を繰り返すことは皮膚にとって決して良いことではありません。
④ 毛穴が目立ちやすくなることも
毛穴パックによって毛穴が直接広がるわけではありません。
しかし、繰り返される刺激によって
●炎症
●乾燥
●皮脂分泌の増加
が起こると、結果的に毛穴が目立ちやすくなることがあります。
黒ずみの正体は角栓だけではありません
診察室では、「毛穴の黒ずみ」と思われていたものが、実は違う原因だったということも珍しくありません。
例えば、
●皮脂フィラメント
●角栓
●酸化した皮脂
●産毛
●鼻の毛
などです。
以前のコラムでもご紹介したように、「いちご鼻だと思っていたら実は毛だった」というケースも少なくありません。
毛穴治療は原因によって変わります
毛穴治療で大切なのは、原因を見極めることです。
皮脂分泌が多いタイプ
皮脂腺の活動性が高い方です。
このタイプでは、
✨イソトレチノイン
✨ZO®スキンヘルスのビタミンA治療
が有効です。


詳しくはコラム”【皮膚科専門医・美容皮膚科監修】ビタミンA完全ガイド”をご参照ください。
角栓・皮脂フィラメントが主体のタイプ
毛穴内部に蓄積した皮脂や角質へのアプローチが必要です。
✨ウォーターピーリング
✨適切なスキンケア
が役立ちます。
黒ずみの正体が毛だったタイプ
意外と多いのがこちらです。
✨医療レーザー脱毛で改善することがあります。
当院ではMotus AX®による蓄熱式医療脱毛レーザーで痛みを少なく処置可能です。
毛穴の開きやたるみが主体のタイプ
加齢や真皮コラーゲンの減少が関与しています。
✨POTENZA®
✨ピコフラクショナル
✨ワンニードル
などが選択肢になります。

まとめ|毛穴パックは応急処置、毛穴治療は原因診断か
毛穴パックは一時的に見た目を改善できる方法です。
しかし、
●またすぐ戻る
●皮膚へ刺激を与えることがある
●毛穴の原因そのものは解決していない
という限界があります。
大切なのは、「なぜ毛穴が目立っているのか」を見極めることです。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、女性皮膚科専門医が毛穴の状態を診察し、
✨イソトレチノイン(ビタミンA内服)
✨ZO®スキンヘルス(ビタミンAの外用薬)
✨ウォーターピーリング
✨Motus AX®医療レーザー脱毛
✨POTENZA®(ワンニードルかドラッグデリバリーシステムのMcCoom)
✨ピコフラクショナル(ピコレーザー)
などを組み合わせながら、お一人おひとりに合った治療をご提案しています。
敏感な肌質の方も安心して治療をお受け頂けます。
毛穴にお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり