プラセンタの献血制限が変わります!|2026年10月から新しいルールへ
はじめに|これまで、プラセンタ注射を受ける前にお伝えしていたこと

今までプラセンタ注射を受けて頂く際には、「一度でも注射を受けると、その後は献血をご遠慮いただくように決められています」と、予め説明が必要でした。
当院で使用しているラエンネック®もヒトの胎盤を原料とするプラセンタ注射剤であるため、同様でした。
ところが、この献血のルールが、2026年10月1日から変わります。
これまでの「プラセンタ注射を受けたことがある人は、その後、献血をご遠慮いただく」という扱いから、「最後にプラセンタ注射を受けてから3か月間は献血を控える」というルールに変更されます。
2026年10月1日から、プラセンタ注射後の献血ルールが変わります
日本赤十字社は、2026年10月1日から、ヒト胎盤エキスを使用したプラセンタ注射剤について、献血の基準を変更すると発表しました。
今回の変更の対象となる国内承認のプラセンタ注射剤は、
🟠ラエンネック®
🟠メルスモン®
です。
これまで、これらのプラセンタ注射剤を使用したことがある方は、期間を定めず献血をご遠慮いただく扱いでした。
2026年10月1日からは、
最終使用日から3か月間は献血を控える
↓
”3か月を経過した後”は、ほかの基準を満たしていれば献血が可能
という扱いに変わります。
これは、プラセンタ注射そのものの使用方法が変わるという話ではありません。
「プラセンタ注射を受けた方が献血できるかどうか」という、献血側の基準が変更されるということです。
なぜ、これまでプラセンタ注射を受けた人は献血できなかったのでしょうか?
これまでプラセンタ注射を受けた方の献血が制限されていた背景には、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)への感染リスクをできるだけ避けるという考え方がありました。
vCJDは、牛海綿状脳症(BSE)との関連が知られている疾患です。
日本では2005年に国内初のvCJD症例が確認されたことを受け、献血についてさまざまな予防的な制限が設けられました。
その一つとして、2006年から、ヒト胎盤エキスを使用したプラセンタ注射剤の使用歴がある方についても、献血をご遠慮いただく扱いが始まりました。
ここで大切なのは、これが「プラセンタ注射を受けた人がvCJDに感染することが確認された」という意味ではないことです。
これまでの献血制限は、輸血を受ける方の安全を守るために、感染の可能性をできるだけ小さくするという予防的な措置として行われてきました。
なぜ、今回ルールが変わるのでしょうか?
今回の変更には、vCJDをめぐる国内外の状況の変化があります。
厚生労働省では、
・国内外におけるvCJDの発生状況
・国内における感染リスク
・諸外国における献血制限の状況
などを総合的に検討しました。
その結果、これまでの献血制限を見直し、プラセンタ注射については、最終使用日から3か月間献血を延期するという新しい基準へ変更されることになりました。
「以前は危険だったけれど、10月から安全になった」
というわけではありません。
これまで予防的に設けられていた献血制限について、現在の感染リスクや国内外の状況を改めて評価したうえで、一定期間を空ければ献血できるという基準に見直されたと考えるのが適切です。
プラセンタ注射を受けている人は、いつから献血できる?
2026年10月1日以降は、最後にプラセンタを注射した日から3か月間は献血を控える必要があります。
そして、3か月を経過した後は、ほかの献血基準を満たしていれば献血が可能となります。
例えば、
9月15日に最後の注射を受けた場合
→ そこから3か月間は献血を控える
→ 12月15日以降が、3か月経過後の目安
というイメージです。
実際の献血の可否は、その日の問診や健診医による判断によります。

よくある質問|プラセンタ注射と献血
Q1.プラセンタを一度でも受けたら、もう献血できないのですか?
いいえ。2026年10月1日からルールが変わります。
これまでは、ラエンネック®などのヒト胎盤エキスを使用したプラセンタ注射剤を使用したことがある方は、期間を定めず献血をご遠慮いただく扱いでした。
2026年10月1日以降は、最終使用日から3か月間を過ぎれば、今回のプラセンタ注射に関する献血制限には該当しなくなります。
Q2.プラセンタ注射を続けながら献血することはできますか?
ポイントは、最後に注射を受けた日から3か月経過しているかどうかです。
定期的にプラセンタ注射を受けていて、3か月以内に最後の注射を受けている場合は、その時点では献血をご遠慮いただくことになります。
献血を希望される場合は、最後の注射日を確認しておくとよいでしょう。
Q3.最後のプラセンタ注射から3か月経っているかどうかは、どうやって確認するのですか?
最後にプラセンタ注射を受けた日を基準に判断します。
献血の際には、プラセンタ注射の使用歴について確認されますので、最後にラエンネック®などのプラセンタ注射を受けた日を、できるだけ正確に伝えられるようにしておくことが大切です。
例えば、9月15日に最後の注射を受けた場合は、12月15日以降が3か月経過後の目安になります。
Q4.なぜ3か月という期間なのですか?
「3か月」というのは、プラセンタが3か月間体内に残るという意味ではありません。
日本赤十字社が、今回の献血制限の見直しにあたり、特定生物由来製品について行っている献血延期の取り扱いに準じて設定された期間です。
Q5.献血できるようになるということは、プラセンタ注射が危険ではなかったということですか?
今回の変更を、「プラセンタ注射が安全になった」という意味だけで捉えるのは適切ではありません。
これまでの献血制限も、輸血を受ける方の安全性を考えた予防的な措置でした。
今回の変更は、国内外のvCJDの発生状況や感染リスク、海外の献血基準などを総合的に検討した結果として行われたものです。
Q6.すべてのプラセンタ製品が対象ですか?
今回の献血基準変更の対象となるのは、国内で承認されているヒト胎盤エキスの注射剤であるラエンネック®とメルスモン®です。
当院で使用しているプラセンタ注射は、ラエンネック®です。自費診療として行っております。
サプリメントや化粧品など、注射剤以外のプラセンタ製品について、同じ基準が適用されるという意味ではありません。
Q7.3か月経てば、必ず献血できますか?
3か月が経過していれば、今回のプラセンタ注射に関する献血制限には該当しなくなります。
ただし、献血にはほかにも健康状態や感染症、服薬・治療歴などに関する基準があります。
最終的な献血の可否は、当日の問診や健診医によって判断されます。
まとめ|「プラセンタを受けたら献血できない」は変わります
これまで、ラエンネック®などのヒト胎盤エキスを使用したプラセンタ注射を受けた方は、期間を定めず献血をご遠慮いただくことになっていました。
それが、2026年10月1日から変更されます。
これまで
プラセンタ注射の使用歴がある方
→ 期間を定めず、献血をご遠慮いただく
2026年10月1日から
最後のプラセンタ注射から3か月間
→ 献血を控える
3か月経過後
→ ほかの献血基準を満たしていれば献血可能
というルールに変わります。
当院でも、これまでラエンネック®を開始される方には、献血についてのこの決まりを事前にご説明してきました。
今回の変更によって、「プラセンタ注射を受けたら、その後ずっと献血できない」という扱いではなくなります。
献血を希望される方にとっては、知っておきたい大きな変更です。
当院のプラセンタ注射について
当院では、ヒト胎盤由来のプラセンタ注射剤としてラエンネック®を使用しています。
プラセンタ注射を検討されている方で、
「今後、献血をする可能性がある」
「最後に注射を受けた日からどのくらい空ければいい?」
「献血について詳しく知っておきたい」
など、気になることがあれば診察時にご相談ください。
※献血の最終的な可否は、日本赤十字社の基準および当日の問診・健診医の判断によります。
<参考資料>
・日本赤十字社「ヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に関する献血基準の変更」
厚生労働省「欧州等滞在歴及びヒト胎盤エキス(プラセンタ)注射剤使用歴に係る献血制限の見直しについてのQ&A」
・厚生労働省「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に関する資料」
監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり