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【女性皮膚科専門医が解説】トラネキサム酸(トランサミン®)は飲み続けても大丈夫?

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—あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院ー

肝斑・シミ治療での効果、休薬理由、血栓リスク、ピルとの関係を分かりやすく解説

「肝斑に効くと聞いてトラネキサム酸を飲んでいます」
「美容内服として有名だから続けたいです」
トラネキサム酸について、そんなお声をよく伺います。

✨トラネキサム酸(トランサミン®)✨は、肝斑やシミ治療で非常に有名なお薬です。
「内服してから肌の調子がいい」と感じる方が多くいらっしゃます。

一方で、
  「トラネキサム酸はどのくらいの期間、飲めますか?」
  「休薬は必要ですか?」
  「ピルを内服中に一緒に飲んで大丈夫ですか?」
  「コレステロール値が高いと指摘されたのですが、自分も飲めますか?」
  「妊娠中は内服できますか?」
というご質問も多く“安全性”については意外と知られていません。
トラネキサム酸は正しく使えば肝斑治療に効果の高いお薬ですが、「何となく自己判断で飲み続ける」のはおすすめできません。

この記事では、あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院の女性皮膚科専門医が、
   ・トラネキサム酸が肝斑に効く理由
   ・なぜ休薬が必要なのか
   ・抗プラスミン作用とは何か
   ・血栓リスク
   ・ピルや脂質異常症との関係
   ・トラネキサム酸の保険適応の疾患
   ・どのくらいの量・期間なら安全か
   ・シミ・肝斑治療で本当に大切なこと
 について、できるだけ分かりやすく解説します。

トラネキサム酸(トランサミン®)とは?

トラネキサム酸は、「抗プラスミン薬(抗線溶薬)」と呼ばれるお薬です。
もともとは
 ◯止血
 ◯手術時の出血予防
 ◯月経過多
などに使われてきました。
現在では皮膚科・美容皮膚科でも広く使用され、
 ●肝斑
 ●炎症後色素沈着(Post-Inflammatory Hyperpigmentation:PIH)
 ●赤み
 ●くすみ

などの改善目的で処方されています。
このように、「トラネキサム酸=美容内服」というイメージを持たれる方も多いですが、「美容だけの薬」ではありません。
実際にはさまざまな診療科で使用されている歴史ある薬です。
例えば皮膚科領域では、
 ◯蕁麻疹
 ◯湿疹・皮膚炎
 ◯中毒疹
など、炎症やアレルギー反応を伴う疾患で使用されることがあります。
また内科・耳鼻科領域では、
 ◯咽頭炎
 ◯扁桃炎
 ◯口内炎
などで処方されることもあります。
つまり、「止血だけの薬」でも「美容だけの薬」でもなく、炎症や粘膜症状など、幅広い場面で使われている薬なのです。

トラネキサム酸はなぜ肝斑に効くの?

ポイントは、「抗プラスミン作用」です。

プラスミンは本来、「血栓の骨格となる”フィブリン”を分解する酵素」です。
しかし実は、
  ●炎症
  ●血管反応
  ●メラノサイト刺激
にも関与しています。
トラネキサム酸は、プラスミノーゲン→プラスミンへの変換を抑えることで、
  ◯炎症を抑える
  ◯メラニン刺激を減らす
  ◯肝斑を改善する
という作用を発揮します。

つまり、トラネキサム酸は「シミを漂白する薬」ではなく、“メラニンが作られにくい環境へ整える薬”というイメージがより正確です。
ただし、既存のシミを消す効果はありません。

なぜ「休薬」が必要なの?

ここが非常に重要です。
トラネキサム酸は、「血を固める薬」ではありませんが、「血栓を溶かしにくくする方向」には働きます。
そのため、
 ・年齢
 ・体質
 ・持病
 ・併用薬
によっては、血栓リスクに注意が必要になります。
美容領域の内服としては、
 ◯数か月単位で使用する
 ◯定期的に休薬する
 ◯医師管理下で処方を受ける
ことが大切です。

血栓傾向とは?

血栓傾向とは、「血液が通常より固まりやすく、血栓(血の塊)ができやすい状態」のことです。
血栓ができると、
 ●深部静脈血栓症
 ●肺塞栓症
 ●脳梗塞
 ●心筋梗塞
など、重大な病気につながる可能性があります。

どのくらいの量・期間なら安全?

美容皮膚科では一般的に、1日750〜1500mg程度で処方されることが多く、
  ・250mgを1日3回  
  ・500mgを1日2回
などがよく用いられます。
2〜3か月程度を1クールとして使用することが多く、長期間の漫然とした内服は通常おすすめできません。

高コレステロール血症・高脂血症の人は飲める?

高脂血症・脂質異常症は、動脈硬化や血管内皮障害を進行させ、「血栓ができやすい土台」になることがあります。
そのため、未治療、重度脂質異常症、喫煙者、肥満の方には慎重に判断します。
ただし、高コレステロール血症・高脂血症をきちんと治療されており、コントロールが良好であれば、医師管理下で使用できるケースも少なくありません。
重要なのは“個々の血栓リスク”を正しく判断することです。

ピル(低用量ピル)との関係

低用量ピルは、血液凝固能を高める方向に働くことが知られています。
そこへ、線溶抑制作用を持つトラネキサム酸が加わることで、理論上、血栓リスクが重なる可能性があります。
そのため、ピル内服中で35歳以上、喫煙習慣、肥満、脂質異常症などがある場合は、より慎重な判断が必要です。

妊娠中は飲める?

トラネキサム酸は、
 ◯産科領域
 ◯出血管理
などで使用されることもあり、「妊娠中絶対禁忌」の薬ではありません。
メリットが勝る場合は内服が可能です。

肝斑・シミ治療は「内服だけ」では限界もあります

肝斑やシミは、
 ◯紫外線
 ◯摩擦
 ◯加齢
 ◯炎症
 ◯ホルモン
 ◯血管因子
など、さまざまな要素が複雑に関与しています。
そのため、「とりあえずトラネキサム酸だけ飲めばOK」ではありません。
実際には、
 ●スキンケア
 ●紫外線対策
 ●外用治療
 ●内服治療
 ●レーザー治療
を組み合わせることで、より良い結果につながります。

当院のシミ・肝斑治療について

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、女性皮膚科専門医が、
  ◯肝斑
  ◯シミ (日光黒子)
  ◯ADM(Acquired Dermal Melanocytosis;後天性真皮メラノサイトーシス)
  ◯炎症後色素沈着
  ◯くすみ
などを診断するとともに基盤の肌の状態、肌質を丁寧に診察し、
  「本当にレーザーが適しているのか」
  「今は内服を優先すべきなのか」を医学的に判断しています。

当院では、厚生労働省承認のキュテラ社のピコセカンドレーザー『enLIGHTen 』を導入しています。
ピコレーザーは、
  ●シミ取り
  ●ADM (Acquired Dermal Melanocytosis:後天性真皮メラノサイトーシス)
  ●色素沈着
  ●肌質改善
  ●毛穴の改善
などに非常に有効です。
しみ治療は、生活習慣の改善や肌荒れの改善、スキンケアを行いながら、自費での内服・外用・レーザーを組み合わせ総合的なアプローチが重要です。

下記の診療メニューやコラムもご参照下さい^^

よくある質問(Q&A)

Q. トラネキサム酸はずっと飲み続けても大丈夫ですか?
A. 原則としておすすめしていません。
2〜3か月程度を目安に内服し、必要に応じて休薬期間を設けることが一般的です。

Q. トラネキサム酸はどのくらいで効果が出ますか?
A. 個人差はありますが、肝斑では1〜2か月ほどで変化を感じ始める方が多いです。

Q. ピルを飲んでいますが内服できますか?
A. 場合によります。
低用量ピルは血栓リスクを上げる方向に働くため、年齢・喫煙歴・体質などを総合的に判断します。

Q. 高コレステロール血症でも飲めますか?
A. 内科的なコントロール良好であれば内服が可能な場合があります。
ただし、脂質異常症・肥満・喫煙などが重なる場合は慎重な判断が必要です。

Q. 妊娠中や授乳中でも飲めますか?
A. 妊娠中に絶対禁忌の薬ではありませんので、必要に応じての内服は可能です。
妊娠中以外の授乳中の場合も含め、必ず医師へご相談ください。

Q. 肝斑はトラネキサム酸かレーザーのどちらかだけで治せますか?
A. 肝斑は内服またはレーザーのどちらかだけ改善する病気ではありません。
摩擦・紫外線・炎症なども大きく関与するため、原因を見極め、内服・外用・スキンケアを組み合わせた治療が重要です。
また、これらで回復しにくい場合はPOTENZAのSチップを用いた肝斑治療で薄くなることもあります。

まとめ|トラネキサム酸は「正しく使えば非常に良い薬」

トラネキサム酸は、
  ◯肝斑
  ◯炎症後色素沈着
  ◯赤み
などに非常に有効な治療薬です。
一方で、
  ●血栓リスク
  ●ピル
  ●高脂血症
  ●妊娠
によっては注意が必要です。
だからこそ、「有名だから、まずはしみ治療の手始めに飲む」のではなく、“今の自分に合っているか”を皮膚科専門医と一緒に判断することが大切です。

「このシミは肝斑?普通のしみ?」
「レーザーをしても大丈夫?」
「オンライン診療でトラネキサム酸の処方を受けて飲み続けているけど問題ない?」

そんなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、女性皮膚科専門医が、お一人おひとりのお肌状態や生活背景まで含めて丁寧に診察し、適切なシミ・肝斑治療をご提案しています。
しみに関してお悩みのある方はカウンセリングをご予約下さい。

監修医師

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長

つつみ みどり