肝斑のおすすめ治療法や費用感を紹介!肝斑ができる原因も解説
肝斑は30代以降の女性に現れる、顔の広範囲にできるシミのことです。シミの範囲が広いため顔全体がくすんで見えたり、色ムラが気になったりしてしまうでしょう。肌悩みの中でも、なんとか改善したいと思う症状の1つではないでしょうか。
この記事では、肝斑のおすすめ治療法と費用感、肝斑ができる原因について解説していきます。肝斑が気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。
肝斑の治療法は?
日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会は、「肝斑は主として両頬に対称性に生じる後天性の色素異常症である」と定義しています。30代から40代にかけて現れやすい肝斑は、「何とかして治療したい」と思う肌悩みの1つでしょう。
肝斑の治療法はこちらです。
肝斑の治療法
- 内服薬による治療
- 外用薬による治療
- 美容皮膚科でレーザー治療
- ピーリング治療
- スキンケアなどのセルフケア
これらは、日本皮膚科学会と日本美容皮膚科学会が発行している「美容医療診療視診」においても、肝斑の治療法として記載されている治療法です。肝斑にはさまざまな治療法があるため、自分に合った方法を選びましょう。
内服薬による治療
肝斑の治療には、「トラネキサム酸」を服用します。トラネキサム酸には、シミの原因であるメラニン色素を生成するメラノサイトを活性化する「プラスミン」や「プロスタグランジン」の働きを抑える作用があります。
トラネキサム酸が配合された市販薬も販売されていますが、肝斑の治療をしっかりしたいと思ったらクリニックで処方を受けるのがおすすめです。その理由は、処方薬の方が市販薬よりもトラネキサム酸の含有量が多いからです。
また、トラネキサム酸には経口避妊薬(ピル)を服用中の方は飲めない、長期の服用は避けるなど、服用に関して注意事項があるため、使用する際は医師に相談しましょう。
肝斑の治療にはトラネキサム酸以外にも、漢方薬を使うことがあります。漢方薬は体の内側からバランスを整えることで、肝斑の治療をしていく治療法です。漢方薬による治療はすぐに効果を感じることは難しいですが、時間をかけて体やホルモンバランスを整えることで肝斑以外の症状の改善も期待できます。
外用薬による治療
内服薬でも使用される「トラネキサム酸」は外用薬の成分としても有効で、内服と外用の両方で使用することでさらに効果が上がるといわれています。
トラネキサム酸以外にもお肌の状態などによって、ビタミンC、L-システインが用いられます。ビタミンCは、メラニンの生成を抑えて、コラーゲンやヒアルロン酸を作り出す作用のある外用薬です。L-システインは、肌のターンオーバーを促すことで、すでにあるメラニン色素を体の外に排出させてくれます。
美容皮膚科でレーザー治療
「肝斑にレーザー治療をすると悪化してしまう」と思っている方もいるでしょう。レーザー治療で肝斑が悪化してしまう理由は、レーザーの強い照射が刺激になり、肝斑の元を増やしてしまうからです。
肝斑に対してレーザー治療をする場合、レーザーの出力を調整することで治療効果が期待できます。肝斑のレーザー治療は低出力のため、肌への負担や痛みが少なく、他の美容施術と比べてダウンタイムも短いことがメリットとしてあげられます。肝斑のレーザー治療がおすすめな人は下記の通りです。
- 肝斑をきれいに治したい
- 色ムラがない肌になりたい
- 早く効果がでてほしい
内服薬や外用薬では肝斑の治療効果が出るまでに時間がかかります。そのため、早く効果を実感したい方は、レーザー治療を選択しましょう。
肝斑のレーザー治療の相場は、1回10,000〜30,000円です。肝斑治療で使われるレーザーは低出力のため、効果を実感するには5〜10回ほど続けることが必要です。
当院ではすべての治療において、徹底的に擦らないよう指導しておりますので、肝斑治療が気になる方はお問い合わせください。
ピーリング治療
ピーリングとは、肌表面の古い角質を取り除き、ターンオーバーを促進させる治療法です。肝斑のピーリング治療には、メラニンの分解と排出、生成の抑制など色素沈着の改善に特化したものがあります。ピーリングを繰り返すことにより肝斑が薄くなると同時に、肌全体のトーンアップも期待できます。
ピーリングは他の美容施術と比べてダウンタイムのない治療法といわれていますが、肌が敏感な方は赤みやヒリヒリ感がでることがあるため注意が必要です。また、施術後は肌のバリア機能が低下して乾燥しやすいため、摩擦などで肌に負担が掛からないように注意し、紫外線対策もしっかりしましょう。
肝斑のピーリング治療は単体で行うより、トラネキサム酸の内服・外用薬と併用することで更に効果が期待できます。
ピーリング費用はおおよそ1回5,000〜20,000円ほどです。定期的に5回程度施術をした後に
メンテナンスとして数か月に1度の頻度で継続していきます。
スキンケアなどのセルフケア
美白有効成分が含まれた市販のスキンケア商品には、肝斑にアプローチするものもあります。市販の商品を選ぶときは、メラニンの生成を抑える「アルブチン」や「トラネキサム酸」、メラニン色素を薄くする「ビタミンC誘導体」などを選ぶとよいでしょう。しかし、含有されている成分は市販されているものよりクリニックで処方されるものの方が高濃度のため、肝斑をしっかりと治療したいと思ったら美容クリニックの受診がおすすめです。
また、スキンケア以外のセルフケアとして、食事やスキンケア方法、紫外線対策にも気をつけましょう。ビタミンCを多く含む食品を摂ることや、栄養バランスのとれた食生活は肝斑の改善のために大切です。肝斑は刺激によって濃くなってしまうため、日々のスキンケアの仕方にも注意しましょう。
肌に負担の強いスクラブの使用は避け、洗顔の際は泡立てネットの使用や泡の洗顔料を使うこと、スキンケアを行うときの摩擦にも気をつけてコットンを使用しないことなどが大切です。また、ケアによって肝斑が改善しても紫外線の刺激で再発・悪化してしまいます。日焼け止めや日傘、帽子など日々の紫外線対策もしっかりしていきましょう。
肝斑治療がおすすめな人
肝斑治療には美容クリニックで行う美容施術から日々の生活に取り入れるスキンケアまで、さまざまな種類があります。これらの肝斑治療を受けるのに、おすすめな人は下記の通りです。
- 顔の頬骨や額、口周りに左右対称のシミがある人
- シミが悪化しやすい人
- 市販の美白化粧品では効果が感じられない人
それぞれ詳しく解説していきます。
顔の頬骨や額、口周りに左右対称のシミがある人
肝斑は、顔の中心を境に左右対称で、両側の顔の頬骨や額、口周りに同じような形、大きさのシミです。シミは小さな点状ではなく、広い範囲で輪郭がぼやけているのも肝斑の特徴といえるでしょう。30代から増え始める肝斑は広範囲に現れるため、メイクで隠そうとしてもなかなか難しく、気になる人も多いです。
顔の頬骨や額、口周りに左右対称のシミがある方が治療を受けると、シミがなくなることで顔全体がトーンアップしたように明るくなるのを感じます。肝斑を隠すためにメイクが厚塗りになってしまっていた人も、これらのシミがなくなることでメイクを楽しむことができるでしょう。
そのため、広範囲の左右対称のシミが気になる方は、美容施術を検討してみましょう。
シミが悪化しやすい人
シミが悪化しやすい人の特徴は、こちらです。
- 色白の人
- 乾燥肌
- 生活習慣が乱れている人
色白の人は、紫外線を浴びることでメラニンが過剰に作られてシミができやすいといわれています。また、乾燥肌の人は、肌が乾燥することでバリア機能が低下してしまい、紫外線のダメージを受けやすい状態です。紫外線の刺激によってシミが悪化してしまいます。また、シミの元であるメラニンの生成には食事などの生活習慣が関係していて、飲酒・喫煙習慣やストレス、添加物の多い食事を摂っている人はシミができやすいといわれています。
肌にシミができやすい人の中には、新たなシミができる度にストレスを感じてしまう人も少なくありません。シミにはさまざまな治療法がありますが、美容クリニックでシミの種類に合った治療を受けることでシミの改善だけでなく新たなシミができるのを予防することもできます。美容施術を受けてシミのない肌になることで、明るい気持ちで過ごすことができるでしょう。
市販の美白化粧品では効果が感じられない人
市販の美白化粧品でも、肝斑改善の効果が期待できます。しかし、市販の美白化粧品に配合されている成分は、美容クリニックで処方されている成分に比べると含有量が少なく、効果を感じにくいといえます。市販の美白化粧品を使い続けても効果を感じられない人は、美容クリニックで相談するのがおすすめです。美容クリニックでは、肝斑やシミなど自分に合った美容施術を受けることができるでしょう。
肝斑ができる原因
肝斑は30~50代の女性に現れやすい症状ですが、60歳を過ぎると発症しなくなることもあります。このようにある一定の年齢にあらわれる肝斑には、どのような原因があるのでしょうか。
肝斑ができる原因として考えられるのが、こちらです。
- 加齢による肌の再生力低下
- ホルモンバランスの変動
- 遺伝
- 紫外線によるダメージ
- 肌への刺激や摩擦
- 生活習慣の影響
それぞれ詳しく解説していきます。
加齢による肌の再生力低下
肝斑は30〜50代の女性に多い肌の症状です。20代以前の若いときは、紫外線を浴びて肝斑の元であるメラニンが生成されてしまっても、活発な新陳代謝によって肝斑やシミができることはほとんどありません。
しかし、年齢を重ねると肌のターンオーバーのサイクルが乱れてしまい、メラニンが排出されずに蓄積してしまいます。このメラニンの蓄積が、肝斑の原因です。
ホルモンバランスの変動
肝斑が発生しやすい30代から50代の女性は、妊娠・出産や更年期などによって女性ホルモンが崩れやすい年代です。女性ホルモンのバランスが崩れるとメラノサイトが活性化されて、メラニンが過剰に作り出されてしまいます。この過剰なメラニンが肝斑の原因です。
女性ホルモンのバランスが崩れるのは更年期や妊娠・出産のほかに、ピルなどの経口避妊薬を服用したときにも肝斑が出やすいとされています。
遺伝
肝斑は遺伝的な要素も、リスクを高める原因の1つといわれています。家族に肝斑がある人がいると、自分も肝斑を発症するリスクがあるため注意しましょう。
肝斑の予防には早期からのスキンケア、セルフケアが大切です。肝斑のリスクが高い人は、20代のうちから紫外線対策、生活習慣の改善、正しいスキンケアをおこなって、肝斑を予防していきましょう。
紫外線によるダメージ
肝斑は、紫外線の刺激によってメラニンが過剰に生成されて発生します。30代以降になるとターンオーバーが乱れてしまい、メラニンが蓄積してしまうため、肝斑ができやすくなる仕組みです。屋外で過ごすことが多い人は特に、日焼け止めや日傘、帽子などで日頃から紫外線対策をしっかりとしましょう。
また、美容施術で肝斑が改善した後も、新たな肝斑を作らないように紫外線対策を継続することが大切です。
肌への刺激や摩擦
肝斑は、皮膚への刺激によって肌のバリア機能が低下することで悪化してしまいます。そのため、肌に負担の掛かるスクラブや洗顔・基礎化粧の際の摩擦を避けることが、肝斑の予防には重要です。また、マスクも肌への負担となりやすいため注意しましょう。
負担が掛からないよう洗顔料を選ぶこと、水分を拭き取る際のタオルを押し付けるような方法をとる、スキンケアは優しく丁寧に行うなど、肌への刺激と摩擦がかからないようにしましょう。
当院ではすべての治療において、徹底的に擦らないよう指導しておりますので、肝斑治療が気になる方はお問い合わせください。
生活習慣の影響
生活習慣が肝斑の原因となるのは、生活習慣の乱れが女性ホルモンの崩れにつながるからです。女性ホルモンを整えるためには、バランスのよい食事と良質な睡眠が大切です。
たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂ることのほかに、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするイソフラボンを多く含む大豆製品を摂ることもおすすめです。不規則な生活はもちろん、喫煙や過度の飲酒も控えましょう。適度な運動も、ホルモンバランスを整えるためにおすすめです。
まとめ
肝斑は、顔の中心から左右に対称にできるシミのことです。シミの範囲が広いため、鏡を見るたびにストレスを感じる人もいるでしょう。
肝斑の治療には市販の商品を使って行うセルフケアから、美容クリニックでの美容施術までさまざまな種類があります。しかし、肝斑はほかのシミとの判別が難しく、適切な治療をしないとなかなか効果を得ることはできません。
さらに市販のケア用品は美容クリニックと同じ成分が入っているものでも、クリニックのものの方が高濃度で効果を実感しやすいでしょう。「肝斑を本気で治療したい!」「なんとかして肝斑をなくしたい!」と思ったら、美容クリニックで相談しましょう。
監修医師
あおい皮フ科クリニック 院長
つつみ みどり