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花粉症⑤花粉症の飲み薬はどれが効く?抗ヒスタミン薬の違い・眠気・効果を皮膚科専門医が解説

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春になると多くの方を悩ませる花粉症。
くしゃみが止まらない
  ・鼻水が続く
  ・鼻づまりがつらい
  ・目のかゆみがある
このような症状を抑えるために、花粉症の治療では抗ヒスタミン薬(飲み薬)💊が広く使われています。

現在は眠気の少ない薬や1日1回で効果が続く薬など、多くの選択肢があり、「どの薬を選べばよいのか分からない」という方も少なくありません。

この記事では
 ・花粉症の薬の仕組み
 ・第一世代・第二世代抗ヒスタミン薬の違い
 ・代表的な薬の特徴
 ・効果・眠気・服用回数・年齢
について、皮膚科専門医の視点からわかりやすく解説します。

花粉症の症状はなぜ起こる?

花粉症は、花粉に対して体の免疫が過剰に反応することで起こるアレルギー性炎症です。
花粉が鼻や目の粘膜に入ると、体内の肥満細胞(mast cell)から”ヒスタミン”という物質が放出されます。

ヒスタミンは
  ・くしゃみ
  ・鼻水
  ・目のかゆみ
などの症状を引き起こします。

◎ ヒスタミンとは?

ヒスタミンは、体内に存在する生理活性物質であり、アレルギー反応だけでなく、さまざまな生体機能に関与しています。
花粉症や蕁麻疹の場合は原因となる物質ですが、本来は体にとって重要な役割を担っています。

■ ヒスタミンの主な作用

ヒスタミンは、肥満細胞(マスト細胞)から放出され、以下の症状を引き起こします。
  ・くしゃみ
  ・鼻水
  ・鼻づまり
  ・目のかゆみ
  ・皮膚のかゆみ・蕁麻疹
花粉症はこの反応が過剰に起こっている状態です。

ヒスタミンは胃の中でも働いており、胃酸の分泌を促進します。
この作用に関係するのがH2受容体で、胃薬の代表であるH2ブロッカー(例:ガスター®;ファモチジン)はこの作用を抑えます。

ヒスタミンは血管を拡張させ、血流を増やします。
   ・赤み(発赤) 
   ・腫れ(浮腫)
じんましんや炎症で「赤くなる」のはこの作用です。

ヒスタミンは脳内では神経伝達物質として働き、覚醒や集中力の維持に関与します。
そのため、抗ヒスタミン薬の副作用として「眠気」が出ることがあります(特に後述する第1世代)。

ヒスタミンは免疫細胞にも作用し、炎症や防御反応の調整に関わります。
完全に不利益なものではなく、感染防御にも一定の役割があります。

抗ヒスタミン薬の種類

第一世代と第二世代の違い

抗ヒスタミン薬は大きく 
   ●第一世代抗ヒスタミン薬
   ●第二世代抗ヒスタミン薬   
に分けられます。
現在の花粉症治療では、主に”第二世代”抗ヒスタミン薬が使用されています。

第一世代抗ヒスタミン薬

第一世代抗ヒスタミン薬は古くから使われている薬で、ヒスタミンを抑える作用はありますが
  ・眠気
  ・口の渇き
  ・ふらつき
などの副作用が出やすい特徴があります。

その理由の一つが、薬が血液脳関門(Blood-Brain Barrier:BBB)を通過しやすいことです。
血液脳関門とは、血液中の物質が脳に入りすぎないようにする「脳の防御システム」です。
第一世代抗ヒスタミン薬はこの関門を通過し、脳内のヒスタミン受容体にも作用するため、眠気が出やすくなると考えられています。
現在では花粉症治療では第一選択になることは少なく、主に補助的に使用されることが多い薬です。

第1世代抗ヒスタミン薬

特徴
ポララミン®古くから使用される抗ヒスタミン薬。眠気が出やすい
レスタミン®市販薬にも含まれる成分
アタラックス®鎮静作用が比較的強い

第二世代抗ヒスタミン薬

現在の花粉症治療の中心となるのが第二世代抗ヒスタミン薬です。
  ・第一世代と比べて血液脳関門(BBB)を通過しにくい
  ・脳への移行が少ない
  ・眠気が少ない
という特徴があります。
そのため日中でも服用しやすく、花粉症治療では現在の主流となっています。

花粉症の代表的な内服薬一覧(第2世代)

特徴効果眠気服用回数適応年齢
アレグラ®
(フェキソフェナジン)
バランス型1日2回6か月以上
ビラノア®
(ビラスチン)
速効性が高い1日1回15歳以上
クラリチン®
(ロラタジン)
眠気が少ない1日1回7歳以上
デザレックス®
(デスロラタジン)
新しい抗ヒスタミン薬1日1回12歳以上
アレジオン®
(エピナスチン塩酸塩)
バランス型やや少1日1回7歳以上
タリオン®
(ベポタスチンベシル酸塩錠)
安定した効果やや少1日2回7歳以上
ザイザル®
(レボセチリジン塩酸塩)
小児や鼻炎症状に使用されることが多いややあり1日1〜2回6か月以上
アレロック®
(オロパタジン)
鼻炎・眼症状にも効果ありあり1日2回2歳以上
ルパフィン®
(ルパタジンフマル酸塩)
PAF作用も抑えるあり1日1回12歳以上

※眠気には個人差があります。

ルパフィン®の特徴

ーヒスタミンだけでなくPAFも抑える!!ー

ルパフィン®は、ヒスタミンだけでなく、PAF(Platelet-Activating Factor:血小板活性化因子)という炎症物質の作用も抑える特徴があります。
PAFはアレルギー反応の際に放出される物質の一つで
  ・鼻粘膜の炎症
  ・鼻づまり
などに関与していると考えられています。
そのためルパフィン®は、ヒスタミンだけでなく複数の炎症経路を抑える可能性がある抗ヒスタミン薬とされています。

鼻づまりが強い場合

ディレグラ®配合!!(プソフェキ配合錠)ー

鼻づまりが強い場合には、通常の抗ヒスタミン薬だけでは十分に改善しないことがあります。
そのような場合に使用される薬の一つがディレグラ®です。

この薬はフェキソフェナジン(アレグラ®/抗ヒスタミン薬)血管収縮作用を有するα交感神経刺激薬である塩酸プソイドエフェドリンの2つの成分を含む配合薬です。
プソイドエフェドリンは鼻粘膜の血管を収縮させることで、鼻づまりの改善効果が期待できます。
重度の鼻詰まりのあるアレルギー性鼻炎の方に短期間使用します。
*緑内障、重度の高血圧症、尿閉のある方は使用できません。

花粉症治療の中心

ー点鼻ステロイド薬ー

花粉症では、内服薬だけでなく点鼻ステロイド薬も非常に重要な治療です。
代表的な薬には ・ナゾネックス®
        ・アラミスト®
        ・エリザス®
   などがあります。
これらは鼻粘膜の炎症を直接抑えるため
      ・くしゃみ
      ・鼻水
      ・鼻づまり
すべての症状に効果が期待できます。
実際の診療では抗ヒスタミン薬(内服)+点鼻ステロイドという治療が行われることが多くあります。

花粉症の薬について よくあるご質問 FAQ

Q.花粉症の薬はいつから飲めばいいですか?
花粉症では、花粉が飛び始める”前から”薬を開始する初期療法が有効とされています。
一般的には ・花粉飛散予測の1〜2週間前
      ・症状が強い方では約1か月前 から内服を開始することがあります。

Q.花粉症の薬は毎日飲んだ方がいいですか?
花粉症では、花粉による刺激で鼻粘膜の炎症が続くため、花粉が飛散している期間は継続して内服する方が症状を抑えやすいとされています。

Q.花粉症の内服薬は飲んでどのくらいで効きますか?
抗ヒスタミン薬は一般的に服用後1〜2時間程度で効果が現れ始めるとされています。
薬によって効果の出方には違いがあり、
  ・ビラノア®:比較的速効性がある
  ・アレグラ®:バランス型で安定した効果
など、それぞれ特徴があります。

Q.花粉症の薬は何種類か一緒に飲んでもいいですか?
基本的に同世代の抗ヒスタミン薬を複数種類、同時に内服することは一般的ではありません。
同じ作用の薬を重ねると
  ・眠気などの副作用
  ・薬の過量投与
につながる可能性があります。

症状が強い場合には
  ・点鼻薬
  ・点眼薬
などを併用して治療を調整することが多くなります。

Q.ビラノア®は空腹時に飲まないといけないのですか?
ビラノア®は食事の影響を受けやすく、食後に服用すると薬の吸収が低下する可能性があります。
そのため、空腹時(食事の1時間前または食後2時間以上)での内服を推奨されています。
しかし、食後に内服しても他の薬よりも効果的な場合もあります。
食後に飲み忘れに気づいた場合は、その時点で内服しても問題ありません。

まとめ

花粉症治療は自分に合った薬選びが大切です。
花粉症の内服薬には多くの種類があり、
  ・効果
  ・眠気
  ・服用回数
  ・年齢
などに違いがあります。

また花粉症では
  ・点鼻薬
  ・点眼薬
を組み合わせることで、症状をよりコントロールできる場合もあります。

「薬が効かない」「眠気が気になる」などのお悩みがある場合は、自己判断で薬を変更するのではなく、医師と相談しながら自分に合った治療を見つけていくことが大切です。

花粉症は適切な治療で症状をコントロールできる疾患です。
つらい症状を我慢せず、医療機関で相談してみましょう。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ケ谷駅前院では、内服薬、点眼薬、点鼻薬、舌下免疫療法、ゾレア®注射などの花粉症治療を行っております。
花粉症やアレルギー症状でお困りの方はご相談下さい。

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監修医師

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長

つつみ みどり