花粉症➂花粉症の目のかゆみに「塗る薬」?アレジオン®眼瞼クリームとは【点眼薬との違い・効果・使い方】
ーあおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院ー
🌸春の花粉症🌸の季節になると
・目のかゆみ
・充血
・涙目
・まぶたのかゆみ
といった目の症状に悩まされる方が多くなります。
花粉症の目の症状の治療は、これまで抗アレルギー点眼薬(目薬)が中心でした。
しかし、2024年に世界初の「まぶたに塗るアレルギー性結膜炎治療薬」として、アレジオン®眼瞼クリームが発売となり、新しい選択肢の一つとなっています。
この薬は
・点眼薬が苦手な小児
・既定の回数の目薬の使用が難しい方
・点眼薬だけでは症状が残る方
などに非常に有用です。

この記事では、アレジオン®眼瞼クリームの
・効果
・点眼薬との違い
・正しい塗り方
・費用の目安
について皮膚科医の視点から、わかりやすく解説します。
花粉症で目がかゆくなる理由
花粉症の目のかゆみは、アレルギー反応によって起こります。
花粉が目の表面(結膜)に付着すると、免疫反応により IgE抗体 が関与したアレルギー反応が起こります。
すると結膜に存在する 肥満細胞(マスト細胞) から
・ヒスタミン
・ロイコトリエン
・プロスタグランジン
などの炎症物質が放出されます。
特にヒスタミンは
・強いかゆみ
・充血
・涙目
の原因となります。
そのため花粉症の目の治療では抗ヒスタミン薬などでアレルギー反応を抑えることが重要になります。
花粉症の目のかゆみは何日続く?
花粉症の目の症状は、花粉が飛散している期間は続く可能性があります。
例えばスギ花粉症では、2月〜4月頃まで症状が続くことが多く、
治療をしない場合、目のつらい症状がが数週間〜数か月続くこともあります。
そのため花粉症では
・点眼薬
・内服薬
・外用薬
などを使いながら症状をコントロールすることが大切です。
アレジオン®眼瞼クリームとは

アレジオン®眼瞼クリームは抗ヒスタミン薬のエピナスチン を含む世界初の「まぶたに塗るアレルギー性結膜炎治療薬」です。
上下まぶたに塗ることで薬が皮膚から吸収され、結膜周囲の組織に作用してアレルギー症状を抑えます。
特徴は
・1日1回の使用で効果が持続
・点眼が苦手な方でも使いやすい
・目(眼球結膜)だけではなく、まぶたのかゆみにも効果的
という点です。
点眼薬との違い(効果・費用)
アレルギー性結膜炎に対するアレジオン®には
●点眼薬
●眼瞼クリーム
の2種類があります。
| 治療 | 使用方法 | 効果の特徴 | 3割負担での費用目安 |
|---|---|---|---|
| アレジオン®点眼薬 | 1日2〜4回点眼 | 一般的な花粉症の目薬 | 約800〜1,500円/月 |
| アレジオン®眼瞼クリーム | 上下まぶたに1日1回塗布 | 持続的に抗アレルギー作用 | 約1,000円/月 |
臨床試験では、約70〜80%の患者で症状改善が報告されています。
保険診療では、点眼薬と眼瞼クリームは1か月のうちに同時には処方できないのが原則です。
従来の眼軟膏との違い
まぶたに塗る薬というと、従来の 眼軟膏(プレドニン®眼軟膏やサンテゾーン®眼軟膏、タリビット®眼軟膏など)を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかしアレジオン®眼瞼クリームは従来の眼軟膏とは目的が異なる薬です。
従来の眼軟膏は
・抗菌薬
・ステロイド
などを含み、感染症や炎症の治療を目的として使用されてきました。
一方、アレジオン®眼瞼クリームは抗ヒスタミン薬によってアレルギー反応を抑える薬であり、
アレルギー性結膜炎の治療を目的に開発された外用薬です。
*よく目の周りの痒み、皮膚炎を主訴に、プレドニン眼軟膏などの従来の眼軟膏が処方されているのを見かけますが、
実際には皮膚炎(赤み、かさつき、苔癬化という厚い色素沈着したかさつきのある皮膚症状)がある場合には、
眼軟膏では改善できません。皮膚科用外用剤での治療が適切です。
効果を高める塗り方
アレジオン眼瞼クリームの口径は非常に小さく、添付文書では上下眼瞼に片目あたり約1.3cmのクリームを塗布するとされています。
基本的な使い方は
・指にクリームを出す
・上下まぶたに薄く塗る
という方法です。
実際の診療でおすすめしている塗り方
当院では次の方法を説明しています。
・片目あたりしっかり約1cm分のクリームを出す
・半目を開いた状態で上下まぶたのまつ毛の生え際ぎりぎりに塗る
・余った分を上まぶたに広げる
※薬が直接目に入らないよう注意してください。
添付文書通り、十分量のクリームをこのように塗ると、1日1回の使用で点眼薬よりも高い効果を得られます。
まつ毛の生え際付近は
・マイボーム腺
・結膜に近い部位
であり、薬剤が結膜周囲に届きやすいと考えられています。
アレジオン®眼瞼クリームを使ってみたけど効果がいまいちだった…と感じたご経験のある方は、
クリームを塗る位置の工夫や適切な量(おそらく推奨量より少なかった可能性がある)で変わることもあるはずです。
皮膚科医の視点:こんな方におすすめ
次のような方に処方することが多い薬です。
・点眼薬が苦手な小さいお子さん
・目薬を決められた回数分は使用できない方
・目(眼球)とまぶたの両方がかゆい方
・コンタクトレンズ使用者
・点眼薬だけでは症状が残る方
花粉症では
・日中の花粉暴露
・夜間に体温が上昇すること
などの影響で夜にかゆみが強くなる方も多いため、就寝前の使用をおすすめすることもあります。
アレジオン®眼瞼クリームのよくある質問(FAQ)
Q. どこに塗りますか?
上下まぶたに塗ります。
まつ毛の生え際に沿って塗り、上まぶた全体に広げます。
当院では目に入らない程度にまつ毛の根元ぎりぎりのラインで外用して頂くように説明しています。
Q. 何歳から使用できますか?
添付文書では12歳以上です。実際の診療では症状に応じて2歳前後から検討できます。
Q. コンタクトレンズは使えますか?
基本的には可能です。安全のためコンタクトを外した後(就寝前)の使用がおすすめです。
Q. 副作用はありますか?
お薬である以上、副作用は以下のようなものが挙げられます。
・塗布部の刺激感
・軽いかゆみ
・まぶたの赤み
ただし、頻度は多くありません。
Q. 夜に塗った場合に、朝は洗顔しても大丈夫ですか?
問題ありません。薬は皮膚から吸収されます。
Q. アレジオン®眼瞼クリームよりも点眼薬が向いているのはどんな人ですか?
次のような場合は点眼薬が向いていると考えます。
・充血を伴う強い痒みがある方
・即効性を求める場合
このような場合は、直接作用する点眼薬の方が効果を感じやすいことがあります。
点眼薬は、数分〜数十分で効果を感じます。
一方、クリームは皮膚から吸収されるため少し時間がかかることがあります。
Q.アレジオン®眼瞼クリームとアレジオン®点眼液は同時に使えますか?
使用自体は可能ですが、保険適応上はどちらか一方で十分です。
●眼瞼クリーム(Cr):目とまぶたのかゆみ・赤み・炎症に直接塗布する局所作用型
●点眼液:目の表面のかゆみ・充血・涙目などに作用
両方使うことは体に害はありませんが、保険適応上はどちらか一方の処方で十分とされます。
患者さんの症状に応じて、まぶた主体か結膜主体かで選ぶのが一般的です。
Q. 花粉症の目の症状は皮膚科でも診てもらえますか?
はい、皮膚科でも診療可能です。
・花粉症では
・目のかゆみ
・まぶたのかゆみ
・まぶたのかぶれ(湿疹)
など、皮膚症状を伴うことも多いため、皮膚科で治療を行うことも多くあります。
特に花粉で目の周りの皮膚が荒れる場合には、皮膚科での診療が役立つこともあります。
気になる症状がある場合は、医師にご相談ください。
当院での花粉症の目の治療
花粉症では
・目のかゆみ
・充血
・涙目
だけでなく
・まぶたのかゆみ
・目の周囲の皮膚炎
を伴うこともあります。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では花粉症の目の症状に対し、
・抗アレルギー点眼薬
・アレジオン®眼瞼クリーム
・抗アレルギー内服薬
などを症状に合わせて組み合わせながら治療を行っています。
また、花粉症による鼻炎症状には点鼻薬も処方しております。舌下免疫療法や重症度に応じてゾレア®の注射治療なども行っています。
花粉症の目のかゆみやまぶたの症状でお困りの方もお気軽にご相談ください。
花粉症に関して以前のコラムもご参照ください^^ ↓
ー参考文献ー
・アレジオン®眼瞼クリーム0.5% 添付文書
・日本アレルギー学会 アレルギー性結膜炎ガイドライン
・日本眼科学会 アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン
監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり