20%から3%へ。DRX® AZAクリアセラムは何が違う?|アゼライン酸の新しい選択肢を皮膚科専門医が解説
ニキビや毛穴、皮脂によるざらつきなどのケアに使われる成分として、近年注目されているアゼライン酸。
当院でもこれまで、医療機関専売のDRX® AZAクリアをご案内してきました。
そんな中、2026年7月、ロート製薬の医療機関専売ブランドDRX®から、新しいアゼライン酸配合美容液「DRX® AZAクリアセラム」が発売されました。

(ロート製薬 公式HPより 一部改変 AZAクリア®セラム|DRX® 公式サイト)
従来のAZAクリアはアゼライン酸20%なのに対し、新しいAZAクリア®セラムは3%。
「濃度が20%から3%になったのなら、効果も弱くなったのでは?」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、従来のAZAクリアと新しいAZAクリアセラムの違い、刺激感、使用感、価格、そして当院で実際に使用してみた印象について、皮膚科専門医の立場からご紹介します。
アゼライン酸については過去のコラムをご参照下さい↓
DRX® AZAクリアとAZAクリアセラムの違い
まず、2つの製品を比較してみましょう。
| DRX® AZAクリア | DRX® AZAクリアセラム | |
|---|---|---|
| アゼライン酸 | 20% | 3% |
| 剤形 | クリーム | セラム(ゲル状) |
| 容量 | 15g | 26mL |
| 使用期間の目安 | 約1か月 | 約45日 |
| 使用感 | クリームタイプ | みずみずしく、しっとり |
| 特徴 | アゼライン酸を高濃度配合 | 毎日のスキンケアに取り入れやすいセラムタイプ |
従来のAZAクリアは、アゼライン酸を20%配合したクリームタイプ。
一方、新しいAZAクリアセラムは、アゼライン酸を3%配合し、顔全体になじませやすいゲル状のセラムとして設計されています。
アゼライン酸は、水にも油にも溶けにくい「難溶性」の成分です。そのため、製品として使いやすくするためには、剤形や基剤などの工夫が必要になります。
今回のAZAクリアセラムも、こうしたアゼライン酸の特徴を考慮して開発されています。
20%から3%へ。AZAクリアセラムは何が違う?
「20%から3%」と聞くと、単純に濃度を下げた製品のように思われるかもしれません。
しかし、今回のセラムは、単にアゼライン酸の濃度を下げただけではありません。
メーカーによると、AZAクリアセラムは、アゼライン酸の濃度を3%と低めに設定し、ゲル状の剤形や使用量などを含めた製剤設計によって、刺激感や使用感に配慮した製品とされています。
また、ゲル状の剤形により、アゼライン酸を肌にゆっくり届けることを意識した設計となっており、低濃度でもアゼライン酸の特性を生かせるよう工夫されています。
つまり、「20%のクリームを単純に3%に薄めたもの」ではなく、剤形や使用感まで含めて設計された新しいタイプのアゼライン酸製品と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、これは「3%なら20%とまったく同じ効果が得られる」という意味ではありません。
アゼライン酸の働きは濃度だけで決まるものではなく、剤形、使用量、肌への届け方など、さまざまな要素が関係します。
そのため、従来のAZAクリアとは異なるアプローチでアゼライン酸を取り入れる製品と考えるのがよいでしょう。
「低濃度なら刺激も少ない」は本当?
ここは、アゼライン酸を使う際に知っておきたいポイントです。
AZAクリアセラムはアゼライン酸3%と、従来の20%クリームより低濃度になっています。
そのため、刺激感に配慮された製品設計になっています。
しかし、「3%だから刺激が起こらない」わけではありません。
肌質や肌の状態によって、低濃度でもピリピリ感などを感じることがあります。
当院スタッフが実際に使用してみました
当院でもスタッフ全員がAZAクリアセラムを試用しました。
使用感については、
「しっとりしていて使いやすい」
「DRX® VCコンセントレートに似た使用感」
という印象でした。
一方で、興味深かったのが刺激感です。
従来のAZAクリアでピリピリ感が出たスタッフは、AZAクリアセラムでも塗布後に同様の違和感を自覚しました。(むしろAZAクリアセラムの方が早く、塗った直後に感じていました)
このことからも、「20%で刺激があったけれど、3%なら必ず大丈夫」とは言えません。
アゼライン酸そのものへの反応だけでなく、肌のバリア機能の状態や、その人の肌質などによっても刺激の感じ方は異なります。
そのため、刺激が心配な方は、低濃度だから大丈夫と自己判断せず、肌の状態に合わせて使用することが大切です。
DRX®VCコンセントレートについてはこちらをご参照下さい↓
ゲル状のセラムは、使用感が違います
ゲル状のセラムは、使用感がかなり違います。
従来のAZAクリア®はクリームタイプ、新しいAZAクリア®セラムはみずみずしいゲル状のセラムタイプです。
実際にスタッフで試用してみると、セラムの方は伸びがよく、塗布後にしっとり感が残る印象がありました。DRX® VCコンセントレートに少し似た、なめらかで保湿感のある質感です。
個人的には、私はAZAクリア®セラムの質感はかなり好みでした。
クリームタイプよりも軽く広げやすく、保湿力もあり、毎日のスキンケアの流れの中に自然に取り入れやすいと感じています。
そのため、使用感のイメージとしては、
●AZAクリア®セラム:顔全体など広範囲に使いやすい
●従来のAZAクリア®:ニキビやざらつきが気になる部分を中心に、ある程度限局して使いやすい
という違いがあるように感じました。
もちろん、これは現時点での使用感に基づく印象であり、正式な使い方を限定するものではありません。
また、現在のところ当院では、AZAクリア®セラムを長期間継続使用したスタッフがまだいないため、ニキビ・毛穴・皮脂などに対する効果の差については比較できていません。
そのため、
「セラムの方が効果が高い」
「従来のAZAクリア®より優れている」
といったことは現時点では言えません。
あくまで、
・使用感の好み
・塗り広げやすさ
・スキンケアに取り入れやすいかどうか
という点で、それぞれに特徴があると考えています。
価格はどのくらい違う?1日あたりでは大きな差はありません
「新しい美容液だから、かなり高くなったのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
◯AZAクリアセラムは、1本26mL:約3,500円、約45日分
◯一方、従来のAZAクリアは、1本15g:約2,200円、約1か月分
1本あたりで比較するとセラムの方が高価ですが、1日あたりで考えると、
・AZAクリア:約73円/日
・AZAクリアセラム:約78円/日
です。そのため、使用期間まで含めると、1日あたりの価格差はそれほど大きくありません。
ただし、従来のAZAクリアで使用感や効果に満足している方が、価格だけを理由にセラムへ変更する必要があるとは考えていません。
従来のAZAクリアとセラム、どちらを選ぶ?
新しい製品が発売されたからといって、従来のAZAクリアが不要になるわけではありません。
むしろ、アゼライン酸を取り入れる選択肢が増えたと考えるのがよいでしょう。
従来のDRX® AZAクリア®が向いている方
●これまでAZAクリアを問題なく使えている
●アゼライン酸を高濃度で取り入れたい
●ニキビや毛穴、皮脂などが気になる
●クリームタイプの使用感が気にならない
●コストパフォーマンスを重視したい
DRX® AZAクリア®セラムが向いている方
●アゼライン酸を低濃度から試してみたい
●美容液タイプの軽い使用感が好み
●顔全体に塗りやすい製品を使いたい
●毎日のスキンケアにアゼライン酸を取り入れたい
従来のAZAクリアで刺激を感じた方が、必ずしもセラムなら使用できるとは限りません。
刺激が気になる場合は、無理に使い続けず、肌の状態を確認することをおすすめします。
市販のアゼライン酸美容液との違いは?
最近では、ドラッグストアや通販などでもアゼライン酸配合の美容液が増えています。
そのため、「アゼライン酸3%なら、市販品と何が違うの?」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
ここで大切なのは、「3%だから特別高濃度」というわけではないということです。
市販品にもさまざまな濃度のアゼライン酸配合製品があります。
AZAクリアセラムの特徴は、濃度の高さだけではありません。
ロート製薬は、アゼライン酸の難溶性や特有の使用感に着目し、顔全体になじませやすく、毎日のスキンケアに取り入れやすい剤形を目指して開発したとしています。
また、DRX®は医療機関専売ブランドであるため、肌状態や使用中の治療との兼ね合いなどについて、医療機関で相談しながら取り入れられることも特徴の一つです。
つまり、「3%だから市販品より優れている」ということではなく、医療機関専売品としての製剤設計や、医療機関で相談しながら使えることに意味があると考えるのがよいでしょう。
当院では、従来のAZAクリア®も引き続きご案内しています
今回、AZAクリアセラムという新しい選択肢が加わりました。
当院では、「新製品だからセラムがおすすめ」という考え方ではありません。
これまでAZAクリアを問題なく使用できている方は、今まで通り従来のAZAクリアを続けていただいて問題ありません。
一方、
「クリームより美容液タイプが好き」
「アゼライン酸を低濃度から試してみたい」
「新しい剤形を試してみたい」
という方にとっては、AZAクリアセラムは新しい選択肢になります。
アゼライン酸は、濃度だけでなく、肌質や刺激の感じ方、テクスチャーの好みなどによって使いやすい製品が異なります。
当院では、それぞれの特徴をご説明したうえで、肌状態に合わせてご案内しています。
まとめ|AZAクリアセラムは「より良い製品」ではなく「新しい選択肢」
DRX® AZAクリアセラムは、従来のAZAクリアとは異なる濃度・剤形で作られた、新しいアゼライン酸配合美容液です。
●従来品:アゼライン酸20%のクリーム
●新製品:アゼライン酸3%のセラム
という大きな違いがあります。
AZAクリアセラムは、アゼライン酸の濃度を低めに設定し、ゲル状の剤形や使用量などを含めた製剤設計によって、刺激感や使用感に配慮されています。
一方で、低濃度だから刺激が起こらないわけではなく、実際に当院でも3%のセラムで刺激を感じたスタッフがいました。
また、これまでAZAクリアを問題なく使用できている方にとっては、従来品を継続することも十分に合理的な選択です。
今回の新製品は、「従来のAZAクリアより優れている製品」ではなく、アゼライン酸を取り入れるための「新しい選択肢」として考えていただくのがよいでしょう。
アゼライン酸について迷われている方へ
「ニキビや毛穴が気になるけれど、アゼライン酸を使ったことがない」
「AZAクリアを使ってみたいけれど刺激が心配」
「AZAクリアとAZAクリアセラムのどちらが自分に合うかわからない」
という方は、肌状態によって適した選択肢が異なります。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、皮膚科専門医が肌状態を確認し、現在のスキンケアや治療内容も考慮しながら、一人ひとりに合ったスキンケアをご提案しています。
アゼライン酸について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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よくあるご質問
Q. AZAクリアセラムはアゼライン酸何%ですか?
AZAクリアセラムは、アゼライン酸3%配合です。
従来のDRX® AZAクリアはアゼライン酸20%配合のクリームタイプです。
Q. AZAクリアで刺激があった場合、セラムなら使えますか?
必ずしもそうとは限りません。
セラムはアゼライン酸3%ですが、肌質や肌の状態によっては刺激を感じることがあります。
当院でも、従来品で刺激があったスタッフが、セラムでも塗布直後にピリッとした刺激を感じました。
Q. AZAクリアセラムの方がAZAクリアより効果が強いですか?
一概には言えません。
2つは濃度や剤形、使用感が異なる製品です。
新しいセラムは、低濃度・ゲル状の剤形などを含めた製剤設計によって、アゼライン酸を毎日のスキンケアに取り入れやすくすることを目指した製品です。
Q. AZAクリアとAZAクリアセラムは一緒に使えますか?
基本的には、どちらか一方を選んで使用します。
肌状態や使用中のスキンケアによって適した使い方が異なるため、気になる場合はご相談ください。
Q. AZAクリアセラムは1本でどのくらい使えますか?
朝晩2回、1回6~7滴の使用で、約45日分が目安です。
Q. アゼライン酸はニキビにも使えますか?
アゼライン酸は、ニキビが気になる方のスキンケア成分として広く使用されています。
ただし、ニキビの種類や重症度によって必要な治療は異なります。
炎症の強いニキビや繰り返すニキビについては、医療機関での診察をおすすめします。
監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり