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男性のヒゲ脱毛は「美容」だけじゃない|皮膚科医が考えるヒゲと肌荒れ・清潔感の関係

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はじめに|ヒゲ脱毛は、見た目を整えるためだけ?

「ヒゲを剃る時間を減らしたい」
「毎日のヒゲ剃りで肌が荒れてしまう」
「夕方になると青ヒゲが目立つのが気になる」

男性のヒゲ脱毛というと、まず「見た目をきれいにするための美容医療」というイメージが浮かぶかもしれません。

実際、ヒゲが薄くなることで、毎日のシェービングが楽になり、肌がなめらかにみえるメリットがあります。

ただ、皮膚科医の立場から見ると、ヒゲ脱毛を考える理由はそれだけではありません。

ヒゲを剃るという毎日の習慣そのものが、肌への刺激になっているケースがあるからです。

今回は、ヒゲと肌荒れの関係だけでなく、「清潔感」や「第一印象」という視点からも、男性のヒゲ脱毛について考えます。

ヒゲ剃りは毎日行う「肌への刺激」です

ヒゲは太く硬く、毛密度も高いため、きれいに剃ろうとすると、肌にある程度の負担がかかります。

特に、
・カミソリ負け
・赤み
・乾燥
・ヒリヒリ感
・小さな傷
・毛嚢炎
・埋没毛
・尋常性毛瘡(pseudofolliculitis barbae)

などは、ヒゲ剃りに関連して起こる代表的な皮膚トラブルです。

340人の男性を対象とした研究でも、ヒゲ剃り後の皮膚トラブルとして、刺激感や乾燥、カミソリ負け、切り傷、尋常性毛瘡などが報告されています。

また、ヒゲそのものの性質に加えて、深剃りしようとして何度も同じ場所を剃ったり、強く押し当てたりすることも、肌への刺激を増やす要因になります。

毎日のシェービングは、一度の刺激だけを考えれば小さくても、繰り返すことで肌への負担につながります。

「ニキビができやすいからヒゲ脱毛」という考え方?

「ヒゲを剃ったあとに、赤いブツブツができる」
「同じ場所に何度もニキビができる」

このような場合、実際にはニキビではなく、毛嚢炎や尋常性毛瘡など、ヒゲ剃りに関連した炎症が起きている可能性があります。

特に、毛が皮膚の中に入り込んで炎症を起こす尋常性毛瘡では、赤い丘疹や膿疱が繰り返し現れ、色素沈着や痕が残ることもあります。

「ニキビができるからヒゲ脱毛をする」というより、
「ヒゲ剃りが根本的な原因となる皮膚への負担や、毛に関連した繰り返す炎症を減らす選択肢として、ヒゲ脱毛を考える」
というのが正確な位置づけです。

ただし、ヒゲ脱毛そのものがニキビを治療するわけではありません。

現在できているニキビや毛嚢炎については、まず皮膚の状態を診断し、必要に応じて保険診療での治療を適切に行うことが大切です。

ヒゲ脱毛をすると、毎日の「剃る」という刺激を減らせます

ヒゲが減ると、当然ながら毎日のシェービングの回数や時間も減らしていけます。

美容的な観点だけではなく、肌への物理的な刺激を減らすという意味で、皮膚科的にも意味のあるメリットです。

特に、
・毎朝必ずカミソリを使う
・ヒゲが濃く、深剃りが必要
・剃った後に赤くなる
・ヒリヒリする
・毛穴に沿ってブツブツができる
・埋没毛を繰り返す

という方では、ヒゲ脱毛によって日々のシェービングそのものの負担を減らせます。

毛量や毛質によって必要な回数には個人差がありますが、「毎日のヒゲ剃りによる刺激を減らしたい」という目的も、ヒゲ脱毛を考えるきっかけになります。

ヒゲや肌を整えることは「自分の評価」にも関係する?

ヒゲがない、少ないことは清潔感という見た目の向上につながります。(これについては後述しますが、全世界共通というわけではないようです。)さらに、身だしなみについて考えるとき、もう一つ興味深いのが、相手に与える印象を通して、その人への評価につながることもある、という”第一印象”です。

実際、男性の顔立ちやヒゲ、肌などが「有能そう」「親しみやすそう」「採用したいと思うか」といった評価にどのような影響を与えるかを調べた研究があります。

研究では、ニキビやヒゲの有無などによって、男性に対する「competence(有能さ)」や「warmth(親しみやすさ)」などの評価が変化することが示されています。

ただし、ここで注意したいのは、
「ヒゲがあると評価が下がる」と1:1で考えてはいけないということです。

ヒゲの印象は、職種や文化、年代、ヒゲの形、整え方などによっても変わります。

「第一印象」は、その後の評価にも影響します

そもそも、人は初対面の相手を短時間で評価しています。

就職面接を対象とした研究では、面接の初期に形成された第一印象が、その後の面接官による評価にも影響することが示されています。

だからといって、「ヒゲ脱毛をすれば仕事がうまくいく」という話ではありません。

顔や髪、肌、服装などを自分なりに整えておくことは、相手に伝えたい自分のイメージをつくる一つの方法です。

ヒゲ脱毛も、そのための選択肢の一つと考えることができます。

「ヒゲがないほうが清潔感がある」は、世界共通ではありません

ここは、日本で暮らしていると少し意外に感じるところです。

日本では「ヒゲがない方がすっきりしている」という価値観が比較的なじみ深い一方、世界中で同じ基準が使われているわけではありません。

例えば、カタールの男性の外見やジェンダー規範を扱った研究では、顔のヒゲや口ヒゲ、そしてそれをどのように整えているかが、男性らしさや外見の重要な要素として説明されています。宗教的背景から長いヒゲを保つ男性もいます。

また、近年の湾岸地域の男性美容についての記事でも、ヒゲや口ヒゲを丁寧に整えること自体が重要な身だしなみとして扱われています。

つまり、
「ヒゲがない=清潔」
「ヒゲがある=清潔ではない」
という世界共通で白黒はっきりした話ではないようです。

国や文化によって、「きちんとしている」「男らしい」「洗練されている」と感じる基準は違います。

海外の方と仕事をする機会がある場合も、「ヒゲはない方がいい」と一律に考えるのではなく、相手の文化や職業、個人の好みなども含めて考えることが大切です。

では、男性のヒゲ脱毛はした方がいい?

答えは、「何を目的にするか」で変わります。
ヒゲ脱毛を検討していただくのは、以下のような方です。

・毎日のヒゲ剃りが大変
・カミソリ負けを繰り返している
・ヒゲ剃り後に赤みやヒリヒリ感が出る
・毛嚢炎や埋没毛を繰り返す
・ヒゲが濃く、深剃りが必要
・青ヒゲが気になる
・肌をすっきり見せたい
・ヒゲを整える時間そのものを減らしたい

一方で、ヒゲを残すスタイルが自分に合っていると感じるなら、無理に脱毛する必要はありません。

ヒゲがあるか、ないかよりも、自分がどうありたいか。

そして、そのスタイルを実現するために、ヒゲ脱毛を選ぶのか、整えるのか、何もしないのかを決めればよいのだと思います。

まとめ|男性のヒゲ脱毛は「美容」だけではありません

男性のヒゲ脱毛は、見た目を整えることだけが目的ではありません。
毎日のヒゲ剃りによる肌への負担を減らしたい方や、自分に合った身だしなみを考えたい方にとっても、一つの選択肢になります。

当院では、医療脱毛に「Motus AX®(モータスAX)」を導入しています。
Motus AXは、アレキサンドライトレーザーを用いた蓄熱式の医療脱毛レーザーで、じんわりと熱を加えながら照射することで、従来の熱破壊式レーザーに比べて痛みを抑えやすいことが特徴です。
以前に医療脱毛で痛みのために継続できなかった方にも施術を受けて頂きやすい安全な機種です。

「ヒゲ脱毛は痛そう」と迷っている方や、毎日のヒゲ剃りによる肌荒れが気になる方は、まずは一度ご相談ください。
皮膚科専門医が肌の状態を確認したうえで、脱毛が適しているかも含めてご案内します。

男性のヒゲ脱毛について詳しくはこちらからご予約・ご相談いただけます。

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~関連コラム~

<参考文献>
・Sukakul T, et al. Facial hair shaving behavior and skin problems of shaved areas of males. J Dermatol. 2021;48:1409-1413. doi:10.1111/1346-8138.16034.
・Maurer M, et al. The male beard hair and facial skin – challenges for shaving. Int J Cosmet Sci. 2016. doi:10.1111/ics.12328.
・Fetscherin M, Tantleff-Dunn S, Klumb A. Effects of facial features and styling elements on perceptions of competence, warmth, and hireability of male professionals. J Soc Psychol. 2020;160:332-345. doi:10.1080/00224545.2019.1671300.
・Swider BW, Barrick MR, Harris TB. Initial impressions: What they are, what they are not, and how they influence structured interview outcomes. J Appl Psychol. 2016;101:625-638. doi:10.1037/apl0000077.
・Barrick MR, et al. Initial evaluations in the interview: relationships with subsequent interviewer evaluations and employment offers. J Appl Psychol. 2010. doi:10.1037/a0019918.
・Theodoropoulou I. Ethnographing Gender Roles and Power in Intercultural Communication in Qatar. Journal of Arabian Studies. 2019. doi:10.1080/21534764.2018.1533697.

監修医師

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長

つつみ みどり