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日焼け止めでニキビができる?原因と対策を徹底解説

日焼け止めを塗るとニキビができる、あるいは悪化してしまうと感じる方は少なくありません。しかし紫外線はニキビ肌にとって大敵でもあり、日焼け止めを使わないことでかえって肌トラブルを招くことがあります。

本記事では、日焼け止めでニキビができるのを避けたいという方に向けて、原因や予防策、日焼け止めの選び方・塗り方まで詳しく解説します。

日焼け止めでニキビができる理由とニキビを放置するリスク

日焼け止めを塗ったらニキビが増えた、あるいは悪化したと感じる方は多いです。実際、日焼け止めの成分が毛穴詰まりを起こし、ニキビの原因になるケースはありますが、日焼け止め自体が必ずしも悪いわけではなく、商品の特徴や使い方によってはニキビを予防する役割も担います。

なぜ日焼け止めでニキビができてしまうのか、またニキビを放置するとどのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。

日焼け止めでニキビができる理由

日焼け止めの成分がニキビの原因になることがあります。これは、肌が油分や界面活性剤といった刺激に敏感なタイプであることが関係しています。とくに、オイルを多く含むタイプや肌にピタッと密着するタイプの日焼け止めは、毛穴をふさいでニキビを引き起こしやすくなることがあるため、使う際には注意が必要です。

上記のような状態が続くとアクネ菌が増殖しやすくなり、ニキビの発症リスクが高まります。また、香料や防腐剤などの添加物が肌に合わず炎症を起こし、それが皮脂分泌を乱すことでニキビを誘発する可能性もあります。

しかし、ニキビを恐れるあまりに日焼け止めを一切使わずに紫外線を浴び続けると、別の肌トラブルを招きかねません。紫外線は角質を厚くして毛穴詰まりを助長し、皮脂の酸化を強めることで肌荒れを引き起こす原因にもなります。

紫外線を浴び続けると、ニキビ痕の色素沈着やシミの形成を早めてしまう可能性が高まります。ニキビ跡の赤みや色素沈着を目立たなくするには時間がかかり、場合によっては専門の施術が必要になることもあるため、早めの紫外線対策が大切です。

ニキビを放置するリスク

紫外線対策を行わずにニキビを放置すると、軽度のうちに治せるはずのニキビが炎症を起こして色素沈着やクレーター状のニキビ跡を形成することがあります。ニキビと紫外線の両方に適切に対処することが大切です。

ニキビ肌でも日焼け止めが必要な理由

「ニキビがあるときに日焼け止めを塗ると悪化しそう…」と思っていませんか?実はその逆で、ニキビがある人こそ日焼け止めによる紫外線対策が非常に大切です。紫外線を浴びると、肌のバリア機能が弱まり、皮脂が過剰に分泌されてしまいます。すると、ニキビができやすくなるばかりか、今ある炎症が長引くこともあります。

紫外線には「UV-A」と「UV-B」という2種類があります。それぞれ次のような悪影響があります。

UV-A肌の奥まで届いて、コラーゲンなどの成分を壊します。その結果、シワやたるみの原因になります。また、ニキビ跡が茶色く残ることもあります。
UV-B肌の表面を傷つけて、赤くヒリヒリします。これにより肌が弱くなり、ニキビ菌が繁殖しやすくなります。

さらに、紫外線によって皮脂が酸化すると、毛穴が詰まりやすくなり、炎症が悪化してニキビがひどくなることもあります。とくに、ニキビ肌はもともと皮脂が多い傾向があるので、紫外線のダメージを受けやすい状態です。だからこそ、毎日日焼け止めを塗って肌を守ることが大切なのです。

また、ニキビの赤みや跡が紫外線でさらに濃くなることもあります。一度濃くなると、元に戻るまでに長い時間がかかるため、予防が非常に重要です。ニキビがあるからこそ、肌に優しい日焼け止めを選んで、毎日のケアに取り入れることが、美肌への近道です。

日焼け止めの成分とニキビへの影響—選び方のポイント

ニキビ肌の方が日焼け止めを選ぶ際には、成分表に注目することが非常に大切です。とくに、合成界面活性剤や油分が多いタイプは毛穴詰まりのリスクを高める要因になる場合があります。ここでは、ニキビができにくい日焼け止めを選ぶときのポイントを詳しく紹介します。

ノンケミカルの日焼け止めを選択肢に

日焼け止めには大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。紫外線吸収剤は肌の上で化学反応を起こして紫外線を吸収するため、一部の敏感肌やニキビ肌の方では刺激を感じる場合があります。

一方、紫外線散乱剤は肌の表面で紫外線を反射する仕組みで、酸化亜鉛や二酸化チタンなどが代表的な成分とされています。ノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)の日焼け止めは、化学反応が起きにくいため刺激のリスクが低いとされています。

ニキビが悪化しやすい方は、紫外線散乱剤主体の商品を選ぶのも一つの方法です。

SPF・PA値のバランスを意識する

日焼け止めを選ぶ際は、SPFとPAのバランスに注目しましょう。SPFは主に肌を赤くしたりヒリヒリさせる「UV-B」を防ぐ効果を、PAは肌の奥にダメージを与える「UV-A」を防ぐ目安を示しています。どちらも数値が高いほど紫外線を防ぐ力は強くなります。

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、紫外線対策として通年で「SPF50・PA++++」の日焼け止めの使用をおすすめしています。

ニキビを悪化させないための日焼け止めの塗り方・落とし方

日焼け止めそのものの選び方も大切ですが、塗り方や落とし方を誤るとニキビ悪化のリスクが高まります。紫外線対策とニキビのケアを両立するためには、肌に負担をかけない塗布方法やクレンジングのコツを知っておくことが大切です。

ここでは、ニキビを悪化させないための日焼け止めの塗り方・落とし方を解説します。

肌をこすらず、やさしく伸ばす

日焼け止めを塗るときにゴシゴシとこすると、肌表面の角質を傷つけて炎症を引き起こしやすくなります。ニキビがある部分は特にデリケートなので、円を描くようにやさしく塗り広げましょう。また、ニキビ部分だけは指の腹でやさしく押さえるようになじませましょう。

適量を守り、ムラなく塗る

日焼け止めは少量だと紫外線をブロックしきれず、多すぎると肌負担が大きくなります。商品パッケージに記載されている適量を目安に、まずは顔の5点(両頬・額・鼻・顎)に分けて少しずつのせ、そこから均一に伸ばしましょう。塗りムラがあると紫外線ダメージを受けやすい部分ができるため、注意が必要です。

こまめな塗り直しで負担を最小限に

日焼け止めは汗や皮脂で流れ落ちることがあります。とくに皮脂が多いTゾーンは日焼け止めが崩れやすく、時間が経つと紫外線を防ぐ効果も低下します。外出先では2〜3時間おきを目安に塗り直すとよいですが、一度ティッシュやオフ用パウダーで余分な皮脂を取ってから少量ずつ重ねるのがポイントです。

洗顔の際は低刺激のクレンジング・洗顔料を使う

落ちにくい日焼け止めやウォータープルーフタイプを使った場合は、専用クレンジングを使用するなどしっかりオフする必要があります。とはいえ、強力なクレンジング剤やゴシゴシ洗いは肌のバリア機能を損ねる原因です。

ニキビがある場合は低刺激性のクレンジングや洗顔料を選び、ぬるま湯でやさしく洗い流すようにしましょう。きちんと汚れを落とす一方で、肌のうるおいまで過剰に奪わないよう注意が必要です。

ニキビ肌のための総合スキンケア

ニキビを防ぐには日焼け止めだけでなく、洗顔・保湿・生活習慣の改善など総合的なケアが欠かせません。とくにスキンケアの順番や使用する化粧品の選び方ひとつで、ニキビのできやすさは大きく変わります。また、セルフケアだけで改善が難しい場合には、早めに医療機関や皮膚科を受診することが大切です。

ここでは、ニキビ肌の方におすすめの総合スキンケアのポイントを紹介します。

日常スキンケアのポイント

ニキビができやすい肌では、皮脂の過剰分泌を抑えながらも、肌に必要なうるおいをきちんと保つスキンケアが大切です。朝晩の洗顔は、低刺激タイプの洗顔料を使い、こすらず泡でやさしく包み込むように行いましょう。洗顔後は、刺激の少ない化粧水でしっかり保湿することが重要です。

皮脂が気になるからといって保湿を省いてしまうと、逆に皮脂分泌が増えてニキビを悪化させる原因になります。そのため、「皮脂を抑えること」と「保湿をきちんと行うこと」のバランスが必要です。

ピーリング

セルフケアだけでは改善しにくいニキビやニキビ跡に対しては、適度な範囲でのピーリングなどの施術が効果的です。ピーリングではフルーツ酸などの薬剤を用いて角質をやわらかくし、毛穴詰まりを解消すると同時にターンオーバーを促進させます。

日常のケアについても気になることは、医師に相談するとよいでしょう。

ニキビが悪化した際の対処法|早めの受診とセルフケア

ニキビが悪化し、赤みや痛みが強くなったり、腫れを伴う状態になったりする場合は、できるだけ早めに皮膚科を受診することを考えてください。セルフケアだけでは十分に対処できないケースが多く、放置すればニキビ跡が残るリスクが高まります。ここでは、ニキビが悪化したときのセルフケアと医療機関への受診タイミングを説明します。

セルフケアでできること

ニキビが悪化してしまった場合、まずは刺激を極力減らすことが欠かせません。洗顔やスキンケアの際には患部をこすらないよう注意し、触れる回数を最小限に抑えましょう。生活習慣面では、睡眠不足やストレスがホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を増やす原因にもなるため、しっかりとした休息やバランスの良い食事を意識しましょう。

症状が重い場合は早めにクリニックへ

強い炎症や膿を伴うニキビは、専門的な治療が必要になる可能性が高いです。

処方薬による内服や外用、あるいは面皰圧出(毛穴につまった角栓を排出する処置)などを行うことで、ニキビの進行を食い止められます。とくに赤みが強く痛みがあるニキビを放置すると、クレーター化や痕が残るリスクが高まるので、注意が必要です。

ひどくなる前に皮膚科で診断を受け、適切な治療プランを立てることがおすすめです。

内服タイプの日焼け止めの活用と注意点

日焼け止めには塗るタイプだけでなく、飲むタイプのサプリメントも存在します。

成分には抗酸化作用のあるものや肌のバリア機能をサポートするものなどが含まれ、紫外線によるダメージを内側から軽減するとされています。ニキビ肌の方にとっても、外側と内側の両面からケアできる点が魅力です。

ただし、飲む日焼け止めだけで紫外線対策が完璧になるわけではないため、あくまで補助的なケアとして考えましょう。

飲む日焼け止めの多くには、ポリフェノールやビタミン類、ミネラルが配合されています。

上記の成分は肌の酸化を防ぎ、炎症を抑える働きが期待できますが、ニキビの直接的な治療ではありません。摂取する際は用法・用量を守り、サプリメントに含まれる成分がご自身のアレルギーや体調に合うかを確認することも大切です。

また、飲む日焼け止めを取り入れる際は、紫外線防御のメイン手段としてではなく、従来の塗る日焼け止めや帽子・日傘などの物理的な遮光手段と併用することで相乗効果が得られます。

まとめ

日焼け止めでニキビができる主な原因は、油分や刺激成分による毛穴詰まり、不適切な塗り方や落とし方です。

しかし、紫外線はニキビを悪化させるため、適切な紫外線対策が必要です。ノンコメドジェニック処方や紫外線吸収剤不使用の日焼け止めを選び、やさしく塗って丁寧に落とすことが大切です。改善しない場合は皮膚科で相談すると安心できます。

あなたの肌トラブルが少しでも早く解決するよう、本記事の内容を参考に日常のケアを取り入れてみてください。

監修医師

あおい皮フ科クリニック 院長

つつみ みどり