口元(口周り)にくすみができる原因と対処法について
肌のくすみでお悩みではありませんか。特に口元は、摩擦が加わりやすく普段からケアしていてもくすみが出ることの多い部分です。メイクをしても口周りだけ色がくすんで見えるなど感じたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
口元のくすみをなくすだけで、明るい印象になり自信を持つことができます。
口元(口周り)にくすみができる原因
肌がくすんで、パッとしないと感じたことはないでしょうか。その原因は、肌の透明感が失われたことにあるかもしれません。
特に口元は、摩擦や乾燥でくすみやすい部分です。メイクでくすみをカバーしようとすると厚塗りになってしまい、落ちた時が気になることもあるのではないでしょうか。
では、口元がくすむ原因には何があるのでしょうか。ここでは、口元がくすむ4つの原因をご紹介します。くすみが気になる方は、気を付けるポイントとしても参考にしてみてください。
摩擦
口元は、スキンケアなどで日常的に摩擦が生じやすくなります。マスクをすることも摩擦を与えてしまう一つの要因です。摩擦は、くすみや黒ずみを引き起こす可能性があります。例えば、念入り洗顔しようとして肌に摩擦を与えているかもしれません。
過度な洗顔は、摩擦を与えるだけでなく、肌の乾燥を引き起こす要因にもなります。乾燥もくすみを招く一つの要因です。また、濡れた顔を拭く時も同様です。ゴシゴシと強く拭くと肌に摩擦を与えてしまうため、拭く時には優しく押し当てるように拭くことをおすすめします。摩擦によるくすみは、顔だけではなく様々な肌でも同様です。
紫外線
紫外線を浴びると、肌を守ろうとメラノサイトが活性化されメラニンを発生させます。通常、メラニンはターンオーバーと共に体外へ排出されます。しかし、紫外線を浴びすぎるとメラノサイトが過剰に活性化され過剰なメラニンを発生させてしまう仕組みです。過剰なメラニンは排出しきれずに、皮膚内に蓄積されます。それがメラニン色素となって表在化し、しみやくすみをもたらします。
日焼け止めなどで対策をしていても口元は、よれたりして取れやすいです。また、頬や額、鼻などは丁寧に塗れていても口周りは、塗りきれていないことが多くあります。日焼け止めを塗る際は、適度に塗りなおすことや念入りに塗ることを意識しましょう。
乾燥
肌は、適度な油分がないと肌に含まれている水分が蒸発してしまい乾燥します。口周りは顔のパーツの中でも油分が少なく乾燥しやすい部分です。乾燥することによって、くすみも目立ちやすくなります。
また、乾燥は肌のターンオーバーの乱れも引き起こします。ターンオーバーは、健康な肌であれば、4週間ほどで新しい細胞へ生まれ変わり、古い細胞を排出するサイクルです。このターンオーバーが乱れると、古い角質が蓄積していき、くすみや毛穴トラブルの原因となります。古い角質が残ったままになることで、肌の水分吸収率も低下し、しっかり保湿しているのに乾燥気味になってしまうという悪循環を引き起こします。そのため、スキンケアでは、頬や目元だけでなく口周りも入念に行うことで乾燥やターンオーバーの乱れを予防することができるでしょう。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、体調だけでなく肌にも不調を及ぼします。食生活では、糖分や脂質の摂りすぎにより、細胞が劣化したり皮脂が増加したり肌トラブルを起こしやすくなります。チョコレートや小麦製品、ナッツ類、肉類などを過剰に摂取し、ニキビができたという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
睡眠やストレスでも自律神経が乱れることによって、ホルモンバランスやサーカディアンリズムに乱れが生じ、肌のターンオーバーへ影響を及ぼします。また、喫煙やアルコールの摂取も生活習慣へ乱れを生じさせる要因です。特に喫煙は、血管が収縮するため血行不良を起こしやすく、くすみの原因になります。さらに、ニコチンによってビタミン成分が破壊されることも原因の一つです。
口元(口周り)にくすみができたときの対処法
口元のくすみに気づいたとき、どのように対処したらよいのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、5つの対処法をご紹介します。対処法は、予防策にもなりますので、ぜひ、参考にしてみてください。
生活習慣の改善
肌トラブルを改善するには、生活習慣を改善することが重要です。肌表面だけのケアで改善を目指すのではなく、体の内側から改善していくことで自信の持てる素肌を手に入れましょう。
まず、食生活では野菜や食物繊維を多く摂ることで、ビタミンやミネラルを摂取することができます。ビタミンやミネラルは肌の栄養素として重要です。次に、十分な睡眠時間をとり、熟睡することです。睡眠不足は、肌全体にくすみをもたらします。熟睡するためには、液晶を見る時間を減少させることも効果が期待できます。
液晶から発せられるブルーライトは、脳に影響を与えます。寝る前にブルーライトを浴びることで、脳は日中であると勘違いをしてしまい、眠ったとしても浅い眠りとなる可能性があります。寝る1〜2時間前は脳を休ませることで、安眠へつながります。また、飲酒や喫煙の改善も重要です。
スキンケアを見直す
今行っているスキンケアを一度見直してみましょう。まずは、成分です。タール色素が含まれている化粧品類は、クレンジング剤と合わせて使用すると色素沈着しやすくなるという悪影響を与えてしまいます。特に唇のくすみには、このことが原因であることが多いようです。
次に、方法です。泡立てていない状態や少ない泡での洗顔は、摩擦を引き起こす原因となります。泡洗顔は、良く泡立てて泡を転がすように直接手が触れないような方法がおすすめです。また、オイルクレンジングを使用する際は、たっぷりと量を取ることで摩擦を軽減することができます。低刺激な化粧品類を選択することもおすすめです。
摩擦は避ける
くすみができたときに摩擦を避けることは最も重要と言えるでしょう。ムダ毛ケアでのシェービングやゴシゴシ洗う洗顔、長時間のマスクの着用など口元に摩擦を与える原因は様々です。肌は、摩擦から守ろうと角質層を厚くする働きがあり、その角質層によって、くすんで見えてしまいます。
シェービングでは、頻度を減らしたり電動シェーバーで低刺激のものを使用するなどで軽減ができるでしょう。洗顔は、良く泡立て、洗顔するようにすることで直接手が触れずに摩擦を与えることなくしっかり洗顔できます。
また、日常的に口元には摩擦が自然と加わってしまいます。なるべく、摩擦を与えないような意識を持つことで、軽減できるかもしれません。
紫外線ケア
紫外線のケアは、摩擦を避けることと同等に重要です。紫外線を浴びると、しみやくすみの原因となるメラニンを発生させます。特に口周りの皮膚は薄く紫外線によるダメージを受けやすいです。また、口周りは、日焼け止めなどで対策をしていても取れやすく、気づかないうちに紫外線のダメージを受けてしまっている場合やしっかり塗れていないこともあります。
顔は常に紫外線にさらされるため、しっかりとした対策が必要です。日焼け止めで対策する場合には、特に口元は、こまめに塗りなおすことをおすすめします。そして、紫外線は、夏だけでなく一年中放射されています。天候が曇りの際にも紫外線は放射されているので、毎日の紫外線対策が必要です。
レーザー治療
セルフケアだけでは改善が難しい場合、レーザー治療で改善を試みることもおすすめです。レーザー治療とセルフケアをすることで、より効果を見込むことができます。3つのおすすめのレーザーは以下の通りです。
QスイッチYAGレーザー | 高出力でピンポイントにメラニン色素をキャッチ。熱によって分解させ、排出を促す効果がある。 |
Qスイッチアレキサンドライトレーザー | YAGレーザーよりもメラニン色素に反応しやすい。メラニン色素を分解させ、排出を促す効果がある。 |
レーザートーニング | 低出力で肌への負担が少ない。ゆっくりとメラニン色素を分解するため、数回の照射が必要。 |
高出力のレーザーは即効性があり、少ない回数で効果を実感することができます。しかし、多少の痛みや肌への負担もあります。低出力のレーザーでは、肌への負担は最小限にとどめることができ、痛みもほとんどありません。しかし、数回の照射が必要であり、高出力のレーザーに比べ効果を実感するまでに時間がかかります。
レーザー治療で改善する際は、自分に合った最適なレーザー治療を見つけるためにも、カウンセリング時にしっかり相談しましょう。
口元(口周り)のくすみに有効なスキンケアの成分とは
「くすみを改善したいけど、どんな化粧品がいいか分からない」などといった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。化粧品の種類は数多くあります。そこで、スキンケアのポイントとおすすめの成分をご紹介します。ぜひ化粧品を選ぶ時の参考にしてみてください。
美白と保湿が大切
くすみやしみなどの対策には、保湿が欠かせません。肌は、乾燥するとバリア機能を失ったりターンオーバーに乱れを生じさせます。バリア機能の低下は、摩擦や紫外線からのダメージを受けやすくなり、くすみを悪化させる原因です。ターンオーバーの乱れは、古い角質やくすみの原因となるメラニンの排出もうまくできず、蓄積させてしまいます。
しっかり肌に水分を与え、保湿をすることで肌本来の機能を正常化させることが大切です。
また、美白ケアも同時に行うようにしましょう。美白成分が含まれた化粧品を使用することで、肌により透明感を与え明るい印象にすることができます。毎日のスキンケアをしっかり行うことで、理想の肌を手に入れましょう。
おすすめの美白成分
では、美白ケアにはどのような成分が有効なのでしょうか。美白化粧水に使用されているおすすめの成分をいくつかご紹介します。
効果 | 特徴 | |
ビタミンC誘導体 | ・くすみの改善・肌のキメを整える・コラーゲンの生成を促進・メラニンの生成を抑制 | ・ビタミンC誘導体は、通常のビタミンCよりも浸透性が高い・低刺激であり、角質層まで届く |
フラーレン | ・抗酸化作用・色素沈着の抑制・ターンオーバーを活性化・コラーゲンの生成を促進 | ・ビタミンCの約172倍の抗酸化作用がある・保湿力が高い |
アルブチン | ・メラニンの生成を抑制・美白効果 | ・低刺激であり、肌トラブルを起こしにくい・肌になじみやすく、べたつきにくい・天然由来で食物から生成された成分 |
特に、ビタミンC誘導体は、新陳代謝を高める働きも持ち合わせているため、ターンオーバーの促進にも期待ができます。他の美容成分と一緒に使用することで、肌の奥まで届きにくい他の美容成分の浸透の手助けもしてくれます。
そして、アルブチンは、天然由来の成分であり非常に低刺激な成分です。肌トラブルを起こしにくく、ビタミンC誘導体と一緒に取り入れることでよりその効果的なケアができるでしょう。
口元(口周り)のくすみにおすすめの施術法
くすみにおすすめの施術は、以下の通りです。
・レーザー治療
・エレクトロポレーション
・ピーリング
レーザー治療では、くすみの種類に応じて様々なバリエーションがあります。自分に合ったレーザーは何なのか一度、美容クリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。エレクトロポレーションとは、特殊な電流を微弱で流し、美容成分を肌の奥まで届ける施術法です。
日々のスキンケアでは届かせることのできない肌の奥まで美容成分を浸透させることで、肌本来の機能を取り戻すことができます。ピーリングは、肌表面にある古い角質を取り除く施術法です。角質によってくすんでいた肌も古い角質がなくなることで、明るくなり、ターンオーバーも促進させることができます。
口元(口周り)のくすみに関するよくある質問
くすみの中でも特に口元のくすみに関してよくある質問を3つご紹介します。口元の印象は、顔全体の印象を左右するものです。くすみの原因を理解し、対策や予防で悩みを解消して、自信が持てる口元を手に入れましょう。
口の周りが黒ずむ原因は何ですか?
口周りが黒ずむ原因は、摩擦や紫外線のダメージ、スキンケア不足などがあります。特に口元は、頬や額に比べ摩擦や紫外線からのダメージの影響を受けやすく、くすみや黒ずみが起きやすい部分です。
摩擦は、日常的に与えてしまうものです。洗顔やムダ毛処理などのスキンケアでは、摩擦を起こさないよう優しく行うことで軽減することができます。さらに、感染予防のためのマスクも摩擦を引き起こしてしまう要因ですが、しっかり保湿をすることでその摩擦の影響も軽減できるでしょう。
顔は常に紫外線へ晒されることになり、日焼け止めなどでケアをしている方も多くいるでしょう。しかし、口周りは会話や食事などでよれやすく、適度に塗り直さないと紫外線からのダメージを受けてしまいます。ケアをする際は、特に口周りをしっかり塗ることを意識し、適度に塗り直すようにすることで、紫外線からのダメージを軽減できるでしょう。
口周りの色素沈着の原因は?
色素沈着の原因は、乾燥やターンオーバーの乱れ、摩擦、汚れの吸着などによって生じます。いずれも口周りだけに限らず、全身の皮膚でも同様です。乾燥は、ターンオーバーの乱れを生じさせ、古い角質が蓄積されると共に色素沈着を招きます。また、年齢と共に肌の水分量は低下し、ターンオーバーの乱れや乾燥を引き起こしやすくなります。
しっかりと保湿を心がけていても、ターンオーバーが乱れることで角質層が厚くなり、水分の吸収率も低下してしまうのです。乾燥とターンオーバーは、密接に関係しており、どちらかが損なわれることで悪循環を引き起こします。
洗顔やクレンジングで、しっかり汚れが落とせていないことも色素沈着の原因です。かと言って、ゴシゴシと強く洗顔をしてしまうと、摩擦を与えてしまいます。汚れは、泡やオイルに吸着させるように行うと過度に油分を落とさずにできます。油分の落としすぎは、乾燥を引き起こす要因なので、注意するようにしましょう。
口の周りを綺麗にする方法は?
口の周りを綺麗にするためには、日頃からのケアが最も重要です。また、口周りのくすみを改善するには、レーザー治療もおすすめです。しかし、レーザー治療などでくすみを改善しても、日常的に起こる摩擦や紫外線からのダメージ、スキンケアを怠ってしまうとくすみが再発してしまう恐れがあります。
頑固なくすみは、レーザー治療などで改善しつつセルフケアをしっかり行うことで、綺麗な口周りを維持し続けることができるでしょう。また、セルフケアのみで行う場合は、長期的に根気強くケアを続けることで改善が期待できます。口元は、顔の印象に影響を与える重要な要素です。口周りも念入りにケアを行い、明るい素肌を手に入れましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、口元(口周り)のくすみの原因や対処法についてご紹介しました。口元は、皮膚も薄くダメージの影響を受けやすい部分です。そんなダメージは、洗顔や紫外線ケアなど一つ一つに気を付けることで防ぐことができます。
くすんでしまった口元には、スキンケアだけでなく美容医療の力も借りることで、より本来の明るい肌を手に入れることができるかもしれません。レーザー治療の中でも、ピコレーザーエントラインは、しみやくすみを改善できるだけでなく、高いホワイトニング効果もあります。くすみを改善して、自信が持てる口元を手に入れましょう。
監修医師
あおい皮フ科クリニック 院長
つつみ みどり