花粉症④妊娠中の花粉症治療はどうしたらいい?皮膚科専門医が解説
妊娠中は「薬はなるべく避けたいけど、花粉症の鼻水・くしゃみ・目のかゆみはつらい…」という方が多いのではないでしょうか。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、妊婦さんの安全を第一に考えながら、症状を和らげる方法をお伝えしています。
薬の選び方やセルフケアを正しく知ることで、赤ちゃんとママの両方を守りながら花粉症をコントロールすることができます。

妊娠中はアレルギー反応がやや落ち着く?
妊娠中はホルモンや免疫の変化により、花粉症などのアレルギー反応がやや落ち着く場合があります。
これは免疫系の調整により体が外来抗原に過剰反応しないようになることが関係しています。
ただし個人差は大きく、症状が軽くなる人もいれば、逆に悪化する人もいます。
体調や妊娠週数によって変動するため、自己判断せず医師に相談することが大切です。
妊娠中に比較的安全に使える薬
妊娠中に使用する場合は、安全性データが比較的豊富で、症状に応じて医師と相談しながら使える薬を選びます。
また、症状が軽い場合は、点眼・点鼻などの局所療法を優先することも可能です。
✨️安全性比較表(妊娠中の抗ヒスタミン薬)✨️
| 薬・治療 | 妊娠中の安全性 | 標準的な扱い |
|---|---|---|
| 安全に使用可能 | ||
| アレグラ® (フェキソフェナジン) | 安全 | 妊娠中でも安心して使える薬 |
| クラリチン® (ロラタジン) | 安全 | 長年の使用実績あり |
| ジルテック® (セチリジン) | 安全 | 多くのガイドラインで推奨 |
| ザイザル® (レボセチリジン) | 比較的安全 | セチリジンの類似成分 |
| デザレックス® (デスロラタジン) | 比較的安全 | ロラタジンの活性代謝物 |
| 使用は医師と相談 | ||
| アレロック® (オロパタジン) | データ限定 | 医師と相談しながら使用 |
| アレジオン® (エピナスチン) | データ限定 | 医師と相談しながら使用 |
| ビラノア® (ビラスチン) | データ少なく医師と相談 | 比較的新しい薬であるため、妊娠中の安全性情報が十分でない |
| ルパフィン® (ルパタジン) | データ少なく医師と相談 | 比較的新しい薬であるため、妊娠中の安全性情報が限定的 |
| 基本的に避ける/慎重に検討 | ||
| 鼻づまりの薬 (プソイドエフェドリンなど) | 避ける | 妊娠初期は奇形リスクが報告されている |
| ゾレア®注射 (オマリズマブ) | 避ける | 新規導入は基本NG |
・アレグラ®や第二世代抗ヒスタミン薬は比較的安全性が確立されており、必要に応じて医師の指示のもと使用可能です。
・ビラノア®やルパフィン®はこの数年で発売された薬のため、データが限定的であり、医師と相談して使用を検討します。
・鼻づまりの薬や生物学的製剤の新規での導入は妊娠中は控えましょう。
局所療法とセルフケア
<局所療法>
・抗アレルギー点眼薬・点鼻薬・・・体内吸収が少なく妊娠中でも比較的安全です。
・ステロイド点鼻薬(局所作用型)・・・妊娠中でも使用できます。
<生活習慣の工夫>
・室内の花粉対策(空気清浄機、衣類の花粉除去)
・鼻うがい・生理食塩水スプレー
・十分な睡眠・生活リズムの維持
・保湿で肌バリアを整える
これらは妊娠中でも安全に行える方法で、薬と併用すると症状の軽減につながります。
妊娠中の花粉症 Q&A
Q1. 妊娠中は花粉症の薬をやめた方がいいですか?
A. すべて中止する必要はありません。
花粉症 の症状が強い場合、安全性が確認されている薬を選べば使用可能です。
無理に我慢すると、睡眠不足やストレス増加につながり、かえって母体に負担となることもあります。
→「使わない」ではなく「安全に選ぶ」ことが大切です。
Q2. 妊娠中でも飲める抗ヒスタミン薬はどれですか?
A. 使用実績が多く、安全性が比較的確立された薬があります。
アレグラ®(フェキソフェナジン)、クラリチン®(ロラタジン)、ジルテック®(セチリジン)、ザイザル®(レボセチリジン)などは安全とされています。
→妊娠週数や症状に応じて選択するため、必ず医師と相談しましょう。
Q3. 新しい薬(ビラノア・ルパフィンなど)は使えますか?
A. 慎重に判断します。ビラノアやルパフィンは有効性は高いものの、妊娠中のデータがまだ限定的です。
原則は実績のある薬を優先し、新しい薬剤は必要に応じて検討 となります。
Q4. 点眼薬や点鼻薬は安全ですか?
A. 内服薬よりも安全性が高いとされています。
全身への吸収が少ないため、妊娠中は局所療法(点眼・点鼻)を優先するのが基本方針です。
Q5. 鼻づまりの市販薬は妊婦に使えますか?
A. 自己判断での使用は避けてください。
特にプソイドエフェドリンなどの血管収縮薬においては妊娠初期のリスクが指摘されており、基本的に使用を控えます。
Q6. ゾレア®注射は妊娠中でもできますか?
A. 新規導入は原則行いません。
ゾレア は重症例に有効な薬ですが、妊娠中の新規開始は行わず、継続中の場合は個別判断となります。
→専門医による慎重な判断が必要です.
Q7. 薬を使わずにできる対策はありますか?
A. 非常に重要で、治療の基本になります。
・空気清浄機
・衣類の花粉除去
・鼻うがい・生理食塩水
・十分な睡眠
さらに皮膚科の観点からは保湿による皮膚のバリア機能の向上・維持も重要です。
Q8. 妊娠中は花粉症が軽くなることはありますか?
A. 一部の方では軽減することがあります。免疫バランスの変化により、アレルギー反応が抑えられる場合があります。
ただし個人差が大きく、状況はさまざまです。
Q9. 皮膚科でも花粉症の相談はできますか?
A. はい、可能です。
当院はアレルギー科も診療しており、むしろ春は皮膚科に花粉症関連で受診なさる方が非常に多い時期です。
皮膚症状がなくても内服や点鼻薬や点眼薬だけが必要な方もいらっしゃいます。
しかし、花粉症は皮膚の痒みや湿疹・にきびの悪化など皮膚症状も高率に引き起こしてしまいます。
皮膚科では全身や局所の投薬+スキンケアの両面からサポートが可能です。
Q10. シダキュア®(舌下免疫療法)は妊娠中でもできますか?
A. 妊娠中の新規開始は推奨されていません。
シダキュア は、体質改善を目的とした治療ですが、アレルゲンを体に取り込む治療であり、まれに全身性反応のリスクがあります。
そのため妊娠中の新規開始は原則行いません。
Q11. 妊娠前からシダキュア®を使っている場合は妊娠中に辞める必要がありますか?
A. 継続可能な場合が多いです。
副作用がなく、投与が安定している場合は継続を検討できます。
ただし妊娠判明後は必ず医師に相談が必要です。
Q12. 妊娠を考えている場合、シダキュア®は始めてもいいですか?
A. 計画的な開始が重要です。
初期は副作用が出やすく、舌下免疫療法は長期治療(数年)が必要な治療です。
・妊娠予定が近い場合 → 慎重に開始を検討します。
・時間に余裕がある場合 → 早期開始を検討します。
まとめ:赤ちゃんと妊婦さんを応援します
妊娠中の花粉症は、安全性の確認された薬とセルフケアを組み合わせることで十分に対処可能です。
◯薬を全て避ける必要はなく、安全に使える薬を選び、必要に応じて使用しましょう。
◯局所療法や生活習慣の工夫で症状緩和をサポートできます。
◯妊娠中の服薬は必ず皮膚科専門医の指導のもとで行って下さい。
お腹の赤ちゃんとママ自身の健康を守りながら、つらい花粉症のシーズンを安心して乗り越えましょう。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、皮膚科専門医の視点で安全に治療をサポートしています。症状でお困りのときはご相談下さい。
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監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり