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汗管腫(かんかんしゅ)ってなに?〜原因・治療法・間違ったスキンケアまで〜

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汗管腫ってなに?

汗管腫は、汗を出す「エクリン汗腺」の管(汗管)が増えてできる良性の腫瘍です。
主にまぶたや目の下に多く、直径1~3mmの小さな肌色のやわらかいブツブツが左右対称性に出ます。
癒合(皮疹がくっつき合う)して大きくなる場合もあります。
痛みやかゆみはなく、汗腺が活発に働く夏は汗管腫が膨らんで見えたり、色が濃く見えたりすることがあるため、
目立ちやすくなります。
女性ホルモンのエストロゲン・プロゲステロンの変動が汗腺の働きや真皮の線維芽細胞に影響すること、
女性の皮膚の方が一般的に男性よりも薄いことより、特に20〜40代の女性で多く発症します。
紫外線や摩擦刺激が加わると、加齢とともに数が増える傾向があります。


~汗管腫について、よくある質問~

Q. 汗管腫は自然に治りますか?
→汗管腫が自然に消えることはほとんどありません
一度できると、少しずつ数が増え、広がることがあります。
汗管腫は「エクリン汗腺(汗を出す器官)」の出口部分の細胞が増える良性腫瘍です。
良性腫瘍とは、悪性所見を持たない(癌化しない)細胞が増え続ける性質をもちますので、
汗管腫は自然には消えません。

Q.汗管腫はうつりますか?
→汗管腫は感染症ではないので、うつりません

Q. 汗管腫になりやすい人はどんな人ですか?
→汗管腫は思春期以降の女性に多く(特に20-40代)、ホルモンバランスが関わっている可能性が指摘されています。
さらに遺伝的素因として、家族内に汗管腫の方がいる場合は発症しやすいです。
ダウン症候群など特定の遺伝疾患に合併することもあります。
また、糖尿病や耐糖能異常がある方、甲状腺機能異常などのホルモン疾患の既往がある方は発症しやすいです。

Q. 汗管腫とニキビは区別できますか?
→見た目が似ることがありますが、汗管腫は良性腫瘍、ニキビは炎症性皮膚疾患であり、違うものです。

汗管腫とニキビの違いのまとめ

特徴汗管腫(かんかんしゅ)ニキビ(尋常性ざ瘡)
原因汗を出す管(汗管)の細胞が増えてできる良性腫瘍毛穴の皮脂腺が詰まり、アクネ桿菌が増えて炎症を起こす
見た目直径1~3mmの小さな肌色の
ブツブツが左右対称性に出る
炎症や膿は認めない
赤く腫れ、白い膿が出たり、黒い角栓が見えたりする
痛み・かゆみほとんどない炎症が強いと痛み・かゆみがある
できやすい場所目の周り(特に下まぶた)、
こめかみ、頬
額・頬・あご・背中・胸など
皮脂の多い場所
年齢層思春期〜中年以降の女性に多い思春期〜若年成人の男女に多い
自然に治るか一度できると自然に消えない軽症は数日〜数週間で
自然に改善することもある
治療法CO₂レーザー、電気凝固、高周波、POTENZAなどの自費治療外用薬(抗菌薬・過酸化ベンゾイル・ビタミンA誘導体)、内服(抗生物質)など保険適応のものもある
感染性うつらないうつらないが、原因のアクネ桿菌は皮膚常在菌であり、皮脂が増えると菌が繁殖し、ニキビが悪化する

治療法

汗管腫は良性腫瘍であり、悪性化(癌化)することはほぼありません。
健康に直接的な害を与えないため、国の基準では「治療が必須な病気」ではなく「美容的な皮膚変化」とされます。
そのため、治療は美容上(整容上)の改善を目的とする施術、という扱いになり、悩んでいる患者様は多くいらっしゃますが、
残念ながら保険は適応されず、自費診療が基本です。

従来の主な方法

炭酸ガス(CO₂)レーザー
→ 盛り上がった皮疹を削る治療です。効果はありますが、赤みや色素沈着が長引く場合があります。

電気凝固
→ 高周波で焼灼する治療法です。ダウンタイムがやや長くなります。

POTENZA(ポテンツァ)のワンニードルによる治療

最近注目されているのが、POTENZA(ポテンツァ)のワンニードルによる治療です。

マイクロニードルRFという極細針から高周波エネルギーを真皮に直接届け、汗管腫の組織を選択的に破壊します。
・表皮のダメージを最小限に抑えながら、深部の原因部分をしっかり治療できます。
・ダウンタイムが比較的短く、色素沈着のリスクが少ないのが特徴です。
・1回の施術で目立たなくなることもありますが、複数回の治療が必要な場合もあります。

注意点

再発の可能性はゼロではありません。
紫外線対策を怠ると色素沈着のリスクが高まります。
すでに治療歴がある場合は、瘢痕や色素変化によって、治療効果に影響することがあります。

間違ったスキンケアに注意

汗管腫は皮膚の深い部分(真皮)まで細胞が入り込んでいるため、表面だけの治療では再発しやすく治りません
以下のような方法では悪化する恐れがありますので、行わないように注意して下さい。

いぼ取り外用薬(サリチル酸など)・ピーリング・ニキビ治療の外用薬の使用
  → 汗管腫には効かず、むしろ皮膚を傷めることもあります。
自己処理(針・爪で潰す)
  → 感染したり痕が残ったりする危険があります。

まとめ

汗管腫は良性の腫瘍ではありますが、見た目の印象に影響しやすく、悩んでいる患者様が多い皮膚疾患です。
間違ったスキンケアでは痕を残す原因になります。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院で行っているPOTENZA(ポテンツァ)のワンニードルによる施術は、
深い位置にある原因部分に直接アプローチすることができ、治療効果が高いものです。
従来のレーザーよりダウンタイムが短いという大きなメリットもあります。

汗管腫にお困りの方は、お気軽にご相談ください。

監修医師

あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長

つつみ みどり