ハイドロキノンとは?シミ治療の代表的外用薬を皮膚科専門医が解説
ハイドロキノンとは?
シミや肝斑、色素沈着の改善を目的とした外用薬のなかで、最も代表的といえるのがハイドロキノン(Hydroquinone)です。
欧米では古くから「美白の王様」と呼ばれ、日本では医療機関を中心に広がり、現在では皮膚科での美白治療に欠かせない存在となっています。

ハイドロキノンの作用機序
ハイドロキノンは、シミの原因となるメラニンを作り出す酵素(チロシナーゼ)の働きを抑えることで、新たなメラニン生成をブロックします。
そのため、日焼けや炎症後色素沈着の悪化を防ぎつつ、既存のシミを徐々に薄くする効果が期待できます。
東大式トレチノイン療法とは
日本でハイドロキノンが本格的に導入された1990年代半ばに有名になったのが「東大式(東大レシピ)」と呼ばれる外用療法です。
米国の Kligman(クリグマン)らが開発した「Kligman Formula」 を日本人向けにアレンジした方法です。
以下の3つを使うのが特徴です。
●ハイドロキノン:まずメラニン生成を抑制します。
●レチノイン酸(トレチノイン):皮膚のターンオーバーを促し、メラニン排出を加速させます。
●ステロイド外用薬:炎症や赤みを抑えるために短期間併用します。
ハイドロキノン単独では効果が限定的なため、トレチノインと併用し、さらにステロイドで副作用を軽減するという「三位一体」のアプローチです。
この治療法は現在でも、美白治療の理論的基盤として知られており、ハイドロキノンは単独使用よりも、レーザー治療やビタミンA誘導体との併用でこそ
効果を発揮するという考え方のもとになっています。
ハイドロキノン単独使用では効果が限られる理由
前述のように、ハイドロキノンを単独で塗布しても十分な効果が発揮されにくいことがあります。
ハイドロキノンの美白作用は”新たなメラニン生成をブロックする効果によるもの”なので、すでに沈着してしまったメラニンに対しては著効しにくいのです。
実際の臨床では、レーザー治療や光治療の後にハイドロキノンを併用することで再発予防に役立てたり、
レチノール(ビタミンA誘導体)と組み合わせることで皮膚のターンオーバーを促したりする方が高い効果を得られます。
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使用方法と注意点
①ハイドロキノンは夜のみの使用が基本です。
ハイドロキノンは紫外線により分解されやすく、かえって刺激や炎症を招くことがあるため、日中の使用は避けて下さい。
②ハイドロキノンにより赤みやかぶれなどの副作用が出ることがあります。
使用開始時は医師の指導のもとで少量から試し、肌の状態を確認しながら続けることが大切です。
➂ハイドロキノンは顔以外の皮膚には塗布しないようにしましょう。
顔に塗った後に手に残ったハイドロキノンを首に使用したくなる方も多くいらっしゃいますが、首は接触皮膚炎を起こしやすい部位なので注意が必要です。
ハイドロキノンは顔の患部にだけご使用下さい。
医師の管理下での安全な使用が大切
市販の美白化粧品にもハイドロキノンが含まれることがありますが、濃度が低いため十分な効果を得にくい場合があります。
濃度の高いハイドロキノン外用薬は医療機関でのみ処方され、患者さん一人ひとりの肌質やシミの種類に合わせて使用法を調整することが必要です。
まとめ
ハイドロキノンは、シミや色素沈着の改善に欠かせない有効成分ですが、単独使用では効果が限定的です。
レーザー治療やレチノール(ビタミンA誘導体)との併用によって、より高い美白効果が期待できます。
ただし、使い方を誤ると赤みやかぶれなどの副作用が出やすいため、必ず皮膚科専門医の指導のもとで使用することが推奨されます。
東京都杉並区のあおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院では、患者さまの肌状態に応じてハイドロキノンを含む外用治療や
レーザー治療を組み合わせた、安心かつ効果的なシミ治療をご提案しています。
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監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり