「最近抜け毛が増えた?」その正体は “休止期脱毛” かもしれません
ーあおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 監修ー
休止期脱毛とは?
「最近いつもより髪が抜けている気がする…」
そんなご不安を抱えて来院される方はとても多くいらっしゃいます。
髪には「生える → 成長する → 抜ける」をくり返すサイクルがあり、このうち髪が成長を終えてお休みモードに入っている状態を “休止期” といいます。
休止期に入った髪は、頭皮にゆるく付いているため、ブラッシングやシャンプーで自然と抜けやすくなるのです。
そしてその下では、すでに次の新しい髪が生える準備が始まっています。
休止期脱毛とは、この“抜けやすいタイミングの髪が一時的に増える現象”のことです。
ストレスやホルモンバランス、季節の変わり目など、さまざまな要因で起こりますが、多くは自然に落ち着いていく、身体のリズムによるものです。
「抜け毛」と聞くとびっくりしてしまいますが、まずは髪のサイクルを知ることで、不要な心配を減らし、正しくケアしていくことができます。
髪のサイクル(毛周期)

毛周期は 成長期(Anagen)・退行期(Catagen)・休止期(Telogen)・脱毛期(Exogen) の4段階に分類されます。
① 成長期(Anagen)
— 毛包の増殖が最も活発な主要時期 —
成長期は、毛包が深く皮下へ伸展し、毛母細胞が旺盛に分裂し、毛幹(髪)が太く長く育っていく段階です。
全毛髪の約85〜90% がこの時期にあり、美しい髪の密度・太さはこの成長期の長さに大きく依存します。
【成長期の期間】
●男性:2〜5年
●女性:4〜7年(女性のほうが長期化しやすい)
成長期はさらに以下の3段階に細分化されます。
<A1期:成長初期(Early Anagen)>
・休止期から移行し、毛包が再び成長を開始する段階
・毛母細胞の分裂が再開し、毛球(ヘアバルブ)の構築が進む
・毛幹は皮膚表面にはまだ達しないことが多い
・期間:数週間程度
<A2期:成長中期(Mid Anagen)>
・毛包が真皮深層〜皮下脂肪層へ伸展し、毛幹が外へ伸び始める
・メラノサイトが活性化し、毛髪の色調が形成される
・髪の太さが決まる“最も重要なフェーズ”
この段階の異常が薄毛の初期変化として最も多いポイントです。
→AGA(男性型脱毛症):A2期が短縮し、太く成長する前に進行します。
→FAGA(女性男性型脱毛症):A2期の毛が太くなりきらない傾向+後述の休止期増加が合併します。
・期間:数ヶ月〜1年程度
< A3期:成長後期(Late Anagen)>
・毛包が最大サイズに達し、毛幹が太く強く成長する
・髪の毛の“主力部隊”がここに属する
・成長速度・太さが最も安定する段階
・期間:数年(男性2〜5年、女性4〜7年)
←毛母細胞のメラニンが最も多く、毛自体も太い時期なので、熱破壊式の医療用脱毛レーザーに最も適した時期です✨
(一方、蓄熱式では時期を選ばないことが多いです😊)
② 退行期(Catagen)
— 毛包構造が「成長モード」から「休止モード」へ切り替わる移行期 —
毛母細胞の分裂が停止し、毛包全体が急速に縮小し、毛球部の血管網(毛乳頭周囲の毛細血管)が退縮し、
そろそろ休む準備を始める時期です。栄養の供給もこの時期にストップし、次の「休止期」への橋渡しの役割を持ちます。
・期間:2〜3週間
・全頭の 1〜2%程度 と非常に短い期間です。
※退行期は能動的に治療介入できる期間ではありませんが、AGAでは成長期短縮に伴い相対的に退行期の比率が増えやすいとされます。
③ 休止期(Telogen)
— 毛包が最も浅い位置で“静止”している時期 —
成長を完全に停止し、毛包は浅い位置に固定され、毛幹は皮膚に“ゆるく保持”されます。
休止期の髪は軽い牽引で容易に抜けるため、自然脱毛の多くがこの時期由来です。
・休止期の期間:3〜4ヶ月
・全頭髪の 約10~15% が休止期にあり、毎日 50~100本ほど抜けるのは正常です。
しかし、ストレス・栄養不足・ホルモンバランスの変化・出産・体調不良・季節変化などをきっかけに、一度に多くの髪が休止期へ移行してしまうことがあります。
その結果、急に抜け毛が増える、髪が細く弱く見える、全体的にボリュームが出ない、といった状態が起こります。
これが 休止期脱毛(Telogen Effluvium:テロゲン脱毛) です。
○ FAGA(女性型脱毛症)では?
→A2期(成長中期)の発育不全に加えて、休止期の割合が増加します。
その結果、「髪一本あたりの太さの低下+全体密度の緩やかな減少」が起こります。
AGAのような局所性の脱毛よりもFAGAでは“全体のボリュームダウン”として現れやすいです。
④ 脱毛期(Exogen)
— 毛髪が実際に抜け落ちる分離期 —
休止期に達した毛髪が、毛包から分離し排出される時期です。
シャンプー時やブラッシングで抜ける毛の多くがこのExogen毛にあたります。
下部毛包(hair bulb 〜 suprabulbar area)から新たなAnagen毛(A1期〜A2期)が押し上げてくることで脱落が起こります。
・脱毛期の期間:数週間〜数ヶ月
*休止期と重複している部分もあります。
| AGA(男性型脱毛症) | FAGA(女性型薄毛) | |
|---|---|---|
| 主な異常部位 | A2〜A3期が短縮 | 成長期全体が短縮+休止期増大 |
| 毛の変化 | 軟毛化(細い毛が増える) | 全体ボリュームの低下・密度減少 |
| 進行パターン | 前頭部〜頭頂部が局所的に目立つ | 分散性に広がり“全体が薄く”見える |
休止期脱毛の主な原因
<原因> <具体例>
ホルモン変化 出産後、更年期、ピルの変更など
体調・代謝 高熱・感染症・甲状腺機能異常
栄養不足 鉄不足、亜鉛不足、急激なダイエット
精神的・身体的ストレス 生活の変化、過労、不眠
季節変動 特に秋に増えやすい
発症の1〜3か月前の上記のような出来事が引き金になります。
✨秋に増える女性の薄毛の増加についてはこちら↓✨
休止期脱毛の特徴
・びまん性(全体的)に薄く見える
・毛根に炎症や痛みはない
・多くは3〜6か月で自然に回復することが多い
ただし、背景にFAGA(女性男性型脱毛症)が隠れていることもあります。
✨女性男性型脱毛症(FAGA)についてはこちら↓✨
※FAGAがある場合は、休止期脱毛が「きっかけ」になり、そのまま進行することがあります。そのため、単なる一時的な抜け毛かどうか、専門医での診断が大切です。
治療・ケアの基本
原因の特定
血液検査で鉄・フェリチン・亜鉛・甲状腺などを確認します。
○髪の成長には鉄・フェリチン(貯蔵鉄)・亜鉛・タンパク質が必須です。
これらが不足すると 毛根が休止期に入りやすく、抜け毛が増える ことが分かっています。
特に女性では
・月経
・ダイエット
・胃腸の弱さ
・ミネラル不足
が重なり、フェリチン低下がとても多いです。
○甲状腺機能の低下・亢進のどちらでもびまん性脱毛が起きます。
症状が軽いと脱毛だけが先に目立つこともあり、「知らないうちに甲状腺の調子が悪かった」というケースもあります。
・甲状腺機能”亢進症”(バセドウ病など)での休止期脱毛
甲状腺ホルモンが過剰になると、新陳代謝が過剰に早くなり、毛根の成長期が短くなる結果、
大量の毛が一斉に休止期へ移行し、びまん性の抜け毛が起こりやすくなります。
また髪が細くなることもあります。
・甲状腺機能”低下症”(橋本病など)での休止期脱毛
逆にホルモンが不足すると、毛母細胞の活動が低下し、成長期を維持できず休止期へ移行するため、
抜け毛・髪のパサつき・眉毛外側が薄くなるなどの休止期脱毛を引き起こすことがあります。
栄養補充
鉄欠乏は特に重要です。サプリメントとともに食事内容も大事です。
毛髪はケラチン(たんぱく質)からできています。ゆで卵・豆腐・ヨーグルト・魚・鶏肉などの摂取を心掛けましょう。

サプリメントにおいては、女性では特に「Ogshi(オグシ)」が推奨され、当院でも取り扱っています。
以前はパントガールという海外から輸入されたサプリメントが主流でしたが、
「Ogshi(オグシ)」は日本人女性向けに開発された国内で生産された毛髪サプリメントで、安心な商品です。
日本人女性では亜鉛不足に加えて、特に鉄分が足りないことが指摘されています。
Ogshi(オグシ)は毛髪・爪の発育に関わるL-シスチン・L-メチオニンなどのアミノ酸を含む栄養素を補うとともに、
鉄欠乏対策を重視した配合が特徴的です。
女性だけではなく、男性の方にも安心して服用して頂けるサプリメントです。
爪の栄養分が不足している方にも役立ちます。
頭皮環境の改善
マイルドな洗浄を心がけましょう。炎症がある場合は皮膚科を受診して外用薬を適切な使用が必要です。
毛量を維持するための治療併用
FAGAが疑われる場合はミノキシジルの外用を併用しましょう。
*ミノキシジルはAGA・FAGAともに治療の基本となる「発毛促進薬」です。外用薬においてはガイドラインで推奨度Aの治療法です。(行うよう強く勧められる)
Regaine2%を導入しました!!

当院では、AGAやFAGAの治療法としてガイドラインでも推奨度Aのミノキシジル外用剤として、リゲイン(ロゲイン)2%を導入しました!!
ガイドラインでは女性は1%を推奨されています(男性では5%)が、かぶれの副作用がなければ2%の方が高い効果を得られます。
使用していただくことで逆にFAGAの傾向があることに気づく方もいらっしゃいます。
休止期脱毛とFAGAの見分けポイント
抜け毛が増えたとき、「一時的なものか」「進行性か」 が診療では大切な判断になります。
女性の薄毛には、休止期脱毛 と FAGA がしばしば重なって存在するため、以下のポイントで丁寧に見極めます。
<特徴> <休止期脱毛(Telogen Effluvium)> <FAGA(女性男性型脱毛症)>
タイプ 一時的・回復しやすい 進行性(放置すると進む)
抜け毛の始まり方 急に増える(1–3か月前の体調変化が引き金) ゆっくり進行、気づきにくい
抜ける場所 全体的(びまん性) 頭頂部・前頭部が目立つ
毛の太さ 比較的均一 細い毛が増える(ミニチュア化)
毛根の状態 正常形の白い毛根 太さにバラつきがある
回復の傾向 数か月で戻ることが多い 何もしないとゆっくり進む
関連要因 出産・ストレス・栄養不足・季節 遺伝・加齢・ホルモン感受性
女性では特に、ストレス・季節変化・体調不良をきっかけに休止期脱毛が起こり、その後、元の毛量に戻らないという中で、
実は FAGAが背景に存在していたというケースが多く見られます。
「急に抜けた」からといって、すべてが休止期脱毛ではない のがポイントです。
治療方針の違い
<治療の目的> <休止期脱毛> <FAGA>
原因へのアプローチ 栄養補正・生活環境改善 DHT(活性型男性ホルモン)感受性の抑制
中心となる治療 鉄/亜鉛補充、頭皮ケア ミノキシジル外用
効果の出方 比較的早い(数ヶ月) ゆっくり(3–6ヶ月)
まとめ
休止期脱毛は「一時的な抜け毛の増加」、一方、FAGAは「毛が細くなり、進行するタイプの薄毛」です。
見分けの鍵は 「毛の太さ・部位・進行性」。両者が同時に起こることも多くあります。
女性の脱毛は、必要に応じて血液検査を行うこともあり、きちんと診断することが最重要です。
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷院では女性の薄毛治療として、ミノキシジル2%の外用薬や飲む育毛サプリメントのOgushi(オグシ)などを含む治療を行っております。
また男性のAGAには、フィナステリドやデュタステリドの内服、ミノキシジル10%の外用薬などがあります。

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監修医師
あおい皮フ科クリニック南阿佐ヶ谷駅前院 院長
つつみ みどり